スイス再保険 最新シグマ調査「損保業界の引受収益率」
通常のコンバインド・レシオは保険金に経費を加えたものを保険料と比較したものである。これは損害保険の基本的な利益構造を知る上で通常用いられるものである。しかし、ここでは投資収益に関するインパクトを考慮することはない。 しかし、エコノミック・コンバインド・レシオは時間のファクターを導入している。これはキャッシュフローのストリームと投資収益という観点を導入するものである。 特に、医療過誤に対する保険を提供している場合、保険料の収入と実際の支払いまでの間に相当年数が経過する場合があり、そのような保険契約の収益を表現する際に、投資収益を勘案しないことは判断を誤らせるからである。 例えば、Angoff(2005)に対するHoyt-Pawell(2005)は興味深い論文である。アンガフは15の医療過誤を専門とする保険会社が医師に対して過大な保険料を徴収しているという結果を導いたとき、単に保険金と保険料を直接比較するために用いたということに、ホイト・パウエル論文は異議を唱え、エコノミック・コンバインド・レシオを用いると、そのような過大な保険料課徴はなかったと主張している。 エコノミック・コンバインド・レシオでは、経費としては、保険金・保険金支払いに関する経費・一般的な事業費を含み、収入としては投資収益と保険料(契約者配当控除後)を含んでいる。 (2006年04月12日 日刊 3面)
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