<05/10/03> 米国の「消費者主導型医療プラン」と「医療貯蓄口座」
消費者主導型医療プランの原語は Consumer Directed(Driven) Health Plan (CDHP)。医療貯蓄口座の原語は Health Savings Accounts (HSA)。「医療貯蓄勘定」「健康貯蓄口座(勘定)」と訳されることもある。
消費者主導型医療プランとは、免責金額が大きく保険料が比較的安い高免責額医療保険( High Deductible Health Plan HDHP)と医療貯蓄口座などの税制優遇措置の組み合わせであり、加入者に医療費を抑制するインセンティブを与えることにより医療費を削減するのが狙いである。
医療貯蓄口座は、高免責額医療保険に加入する場合に利用できる、医療費に使途を限定した税制優遇口座である。65歳以下の人であれば誰でも開設できる。本人の拠出した保険料が所得控除の対象となる(事業主拠出分は損金)ほか、運用益についても課税が繰り延べられる。適正な医療費としての支出であれば、いつでも非課税で口座からの引き出しができ、転職時には新たな職場への持ち込みも可能であるようだ。こうした特徴から、「医療費版401(k)」と呼ばれることもあるようだ。開設された口座数は2005年3月時点で100万を超えたと報じられている。
医療貯蓄口座開設の条件となる高免責額医療保険は、単身の場合、年間免責額が1000ドル以上5000ドル以下(有家族の場合はそれぞれ倍額)であることが必要である。医療貯蓄口座への年間拠出限度額は、対応する高免責額医療保険の年間免責額(ただし上限あり。55歳未満の単身者の場合2600ドル)である。
こうしたプランに加入すると、医療費支出が口座残高の減少に直結するため、加入者が受診を控える、安価なジェネリック薬の処方を要請するといった効果があるといわれており、現実にも加入者の医療費が減少したことが報告されている。しかしながら、重篤な疾病にかかった場合は免責額(高い場合はたとえば10000ドル)をそのまま自己負担しなければならない訳であり、9月21日付の記事はこうしたケースでの重病保険の必要性を説いていると思われる。
医療費貯蓄口座(HSA)は2004年1月から開設が可能となったが、消費者主導型医療プランの対象となる口座は、他にもMSA( Medical Savings Accounts HSAの前身で2003年末をもって開設終了)、HRA( Health Reimbursement Accounts )などがあるようだ。
(2005年9月21日 日刊5面)
保険用語研究会
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