<06/02/13> 普通保険約款
保険約款は、一般に、保険者によってあらかじめ定められた標準的な条項を定めたものということができる。
ところで、生命保険に関する商法等の規定は規定はきわめて簡略であるにもかかわらず、保険制度の内容は多様化しており、商法等の規定のみで保険契約の内容を律することは困難である。したがって、商法の生命保険に関する規定はおおむね任意規定であることから、それと異なる内容(たとえば、自殺免責期間、告知義務違反による解除権の除斥期間等)での約定や、商法に規定のない事項について別途当事者間で約定する必要がある。このような意味合いから、保険約款の内容が作成されている。
保険会社は、多数の保険契約者と画一的な保険契約を締結するに際し、それぞれの保険契約者とそれぞれ別個の契約条項を個別的に取り決めることは事実上困難である。とりわけ生命保険契約は、その性質上専門的、技術的なものであるのに加え、保険契約者間の公平性が強く要請され、個別に契約内容を取り決めることには限界がる。
個々に取り決めた内容では、保険契約の性質である射倖性の担保、あるいは取り決めた内容が、商法等の強行法規に反し公益性を損なうものとなるおそれもある。
これらの事情から、保険制度の技術的な事項について専門的知識を有する生命保険会社があらかじめ標準的な契約条項(保険約款)を作成することが適当であると考えられる。
これら標準的な契約条項は一方の当事者である保険会社が作成するものでであることから、保険契約者の利益を保護する必要性が生じてくる。
 これら普通保険約款に対する規制は、
@立法的規制(消費者契約法2条)、
A行政的規制
B司法的規制がなされている。
(2005年12月16日 日刊 2面) 保険用語研究会