<07/06/11> 経済価値ベースのソルベンシー評価
現行制度の責任準備金積立はロック・イン方式が用いられている。このため、資産が時価評価により変動しても、負債は固定されたままであり、リスク量やマージンの十分な評価に必ずしもつながらない可能性があるのではないかとの指摘がある。
これに対し、経済価値ベースでの資産価値と負債価値の差額(純資産)自体の変動をリスク量として認識し、その変動を適切に管理する経済価値ベースでのソルベンシー評価を行う考え方が提唱されている。
国際的には、欧州等において、経済価値ベースで保険会社のソルベンシーを評価する方向で規制の見直しが進められている。日本においても、4月3日に、金融庁の検討チームが「ソルベンシー規制の今後のあるべき姿として、経済価値ベースで保険会社のソルベンシーを評価する方法を目指すべきである」とする報告書を公表した。
(2007年5月24日 日刊 2面) 保険用語研究会