加齢や高齢化に関する学際研究。原語は"Gerontology"。ギリシャ語で"an old man"を表す"geront" に「学」を示す"ology"を接尾したもの。老年学、加齢学と邦訳されることが多いが、いずれも適訳とは言えない。主な研究分野は、
@老化のメカニズム解明などの「老化研究」
A加齢とともにどのような変化が生じるかについて時間を越えて追跡する「加齢研究」
B高齢者の強みと弱みを峻別し高齢者が積極的に活動できる機会を創出する「高齢者研究」
C共生社会の施策立案に関する意思決定と評価を行う「高齢社会研究」
―の4種。これらの研究成果をつなぎ合わせ、高齢期の生きがいを創出し、少子高齢化に突入する社会の安定の方策を探究する全ての学術的プロセスをジェロントロジーという場合もある。科学としての起源は1903年に遡る。その後、主に米国を中心に発展。急速な高齢化が進展する日本社会においてこそ必要な分野だが、未だその研究拠点は皆無に等しい。2006年4月に東京大学にジェロントロジー寄付研究部門が設置されており、その動向が注目される。
(2006年9月27日 日刊 8面) 保険用語研究会
<06/10/05> ジェロントロジー