<06/12/04> 損保会社の付随的な保険金支払漏れ |
損害保険会社の付随的な保険金の支払漏れに係る調査は、昨年9月に金融庁が損保会社48社に報告を求めたことに遡る。この報告結果については、同年11月25日付けで金融庁から公表されているが、その中で、「付随的な保険金の支払漏れ」については、次のように注記されている。 『「付随的な保険金の支払漏れ」とは、保険事故が発生し、主たる保険金の支払いは行われているにもかかわらず、臨時費用保険金等の付随的な保険金(見舞金、香典、代車費用等)について、契約者から請求が無かったため、本来支払われていなければならないものを支払っていなかったことを指す。』 この公表文書には、「主な保険金の種類」という参考資料が付けられている。この参考資料によれば「臨時費用保険金」といっても1種類ではなく、たとえば自動車保険では、対人賠償保険と人身傷害保険のそれぞれに、異なる内容の臨時費用保険金が場合に応じて支払われることになっている。また、同じ自動車保険の対物賠償保険では「臨時費用担保特約保険金」という似たような名称の保険金もある。 自動車保険の範疇として同資料に掲げられている保険金を見ると、前述の「臨時費用保険金」と「臨時費用担保特約保険金」以外に、「全損時諸費用保険金」、「修理時諸費用保険金(分損時諸費用保険金)」、「車両損害に関する代車費用保険金」、「盗難に関する代車費用保険金」、「死亡・後遺障害・医療保険金(人身傷害保険支払事案で未払いの場合)」、「重度後遺障害特別保険金」、「介護費用保険金」、「死亡・後遺障害・介護・医療保険」がある。サービス競争、料率競争が激しくなる中で、様々な「付随的な保険金」が作り出され商品に加えられたものであろうが、名称もその内容も一般的には非常に分かりにくくなっていることは確かである。 保険金の支払漏れが起きない経営・業務体制を再構築するとともに、商品の単純化・明確化の推進も損害保険会社にとって大きな課題である。 (2006年11月22日 日刊 1面)保険用語研究会
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