東京海上HD 22年度第1四半期決算、四半期純利益は22%減1245億円 海外事業が計画対比+80億円と好調
 東京海上ホールディングスが8月5日に発表した2022年度第1四半期決算によると、連結経常収益は前年同期比11.9%増の1兆6287億円となった。正味収入保険料は海外でのハードマーケット環境を生かしたレートアップや引受拡大等による増収がけん引し、同7.0%増収の1兆731億円(除く為替)だった。連結経常利益は同23.8%減の1653億円。親会社株主に帰属する四半期純利益は同22.0%減の1245億円となった。修正純利益は同16.8%(281億円)減の1391億円で、通期予想対比進捗率は25%(過去5年平均進捗率は37%)。

 一過性の影響として、台湾政府によるコロナ政策の突然の変更により同国損保市場全体で大きなコロナ損失の計上が予想されており、同社台湾拠点(新安東京海上)でもコロナ保険金を主因とする当期純損失▲539億円(同社持分)を第2四半期に計上する予定。ただし、海外を中心に基調が好調であることや、自然災害の本格シーズン前であることなどを総合的に勘案し、同社では現時点では通期予想は見直さない考えを示した。
 グループの修正純利益の減益281億円の内訳は、東京海上日動が484億円減、東京海上日動あんしん生命が46億円減、海外保険が86億円増、その他が163億円増で、海外の好調な保険引受・資産運用の一方、国内は円安や自然災害の増加など一過性の影響等により減益となった。一過性の影響等を除けば国内の進捗はオンペースで、海外の基調は好調としている。
 グループの正味収入保険料の内訳は、国内損保が前年同期比1.7%増(除く為替、通期予想は2.8%)の6504億円。自動車保険の料率引き下げの影響を特約付帯の拡充と台数増加によりカバーしたことに加え、火災保険の商品・料率改定、新種の販売拡大等により増収となった。計画対比では、民保計では想定通りの推移(全種目では新車販売減に伴う自賠責での減収により計画を下回って推移)とした。海外事業は同16.2%増(除く為替、通期予想は5.3%増)の4228億円で、ハードマーケット環境を生かし、引き続き厳格な引受規律を維持したレートアップや引き受け拡大等により計画を上回って好調に推移した。
 生命保険料は、国内は新契約が増加した一方、事業保険の解約増加により同8.3%減(除く為替、通期予想は3.3%減)となった。通期では、第2四半期以降の販売加速を企図しているという。海外はTokio Marine HCCのメディカルストップロス保険やデルファイ・ファイナンシャル・グループの団体生保・就業不能保障保険を中心に、レートアップや引き受け拡大等により、同17.7%増(除く為替、通期予想は5.4%増)と計画を上回って好調に推移している。
 国内損保事業で、東京海上日動の事業別利益は前年同期比484億円減の354億円だった。通期予想対比進捗率は20.5%で、低い進捗率にとどまった。保険引受利益は想定通りの堅調なトップラインの一方、海外大口事故の増加やコロナ影響(想定を上回る交通量の回復とコロナ保険金の拡大)といった一過性の影響により、前年同期比で642億円減少し283億円だった。発生保険金のうち自然災害、外貨建支払備金積増/積減、異常危険準備金積増/積減、自然災害責任準備金積増/積減、初年度収支残負担を除いたベースの保険引受利益は、同125億円減の596億円で、進捗率は25.3%(過去5年平均34.3%)と低位にとどまった。
 正味収入保険料は、同2.1%増の6055億円と前年同期実績を上回った。家計地震・自賠責を除いた民保合計では同3.5%増の5567億円。種目別では、火災は過去の商品・料率改定効果や、再保険スキームの見直し効果等により同12.1%増の953億円。海上は物流の回復や為替影響等もあり通期予想を上回って進捗し、同8.8%増の234億円。傷害は通期予想に対してやや下回って進捗しているが、旅行保険における増収等もあり、同6.5%増の608億円。自動車は1月の料率改定(▲2.0%)を台数の増加や特約付帯等による単価アップで打ち返し、同0.0%減の2825億円。自賠責は新車販売減に伴う件数減を主因に通期予想を下回って推移し、同11.4%減の487億円。その他新種はSMEマーケット、サイバー保険など重点取り組み領域での順調な増収はあるものの、合計では通期予想に対してやや低調に推移し、同3.1%増の946億円だった。
 発生保険金(損害調査費含む)は、前年同期比では自然災害、コロナ、為替等の影響により増加し、同30.2%増の3357億円となった。ただし、これら一過性の影響等を除いたベースでは通期予想に対して順調に推移している。E/I損害率は想定通りの既経過保険料の増加を上回る発生保険金の増加により通期予想を上回って推移し、同12.8ポイント上昇の64.5%。自然災害の影響を除いても、一過性の影響等があり同様としている。事業費率は同0.1ポイント上昇し31.4%。コンバインド・レシオ(民保E/Iベース)は同13.0ポイント上昇し96.0%だった。
 資産運用等損益は、ネット利息及び配当金収入、売却損益等計(キャピタル)が順調に進捗し、同546億円増益の1380億円。
 経常利益は同120億円減益の1664億円、当期純利益は同8億円減益の1401億円となった。
 日新火災の正味収入保険料は前年同期比3.1%減の363億円。保険引受利益は同15億円減益の57億円だった。経常利益は同28億円減益の61億円、四半期純利益は同17億円減益の43億円となった。
 国内生保事業の東京海上日動あんしん生命の新契約年換算保険料は、回払変額保険等の販売が想定通りに推移し前年同期比5.5%増の119億円となった。8月に回払変額保険に付帯する新特約を発売予定で、通期予想では第2四半期以降に販売が加速すると見込む。保有契約年換算保険料は前年度末比0.4%減の8074億円となった。当期純利益は前年同期比54億円減益の46億円。経常利益は同65億円減益の58億円となった。基礎利益は同41億円減益の87億円。
 海外保険事業の正味収入保険料は、前年同期比27.1%増の5883億円だった。為替の影響を除くと同14.3%の増収。このうち北米は同25.6%増の4032億円、欧州は同7.0%増の322億円、中南米は同95.6%増の536億円、アジア・オセアニアは同20.5%増の601億円、中東・アフリカは同26.0%増の107億円だった。事業別利益は、円安進行や前年のテキサス寒波の反動等により、同14.9%増の669億円。欧州における金利上昇に伴うFVTPL時価下落の認識やロシア・ウクライナ戦争に係るリザーブ計上(▲約40億円)といった一過性の影響はあるものの、これらを除けば保険引受・資産運用いずれも好調な先進国を中心に基調は良好。主要拠点の今期実績は、現地計画対比+約80億円(うち保険引受利益+約40億円)で、上半期ではさらに上振れて+約220億円(うち保険引受利益+約180億円)程度となる見込みとしている。