新聞やテレビでは紹介されない日本が宿命的にさらされている危機と危機管理に対する提言、国際金融の一角を占める再保険界で日本を取り巻く危機を見つめ続けてきた著者が投げかける日本人が日本人でいるための心構え。

■本書の主な内容：
はじめに
序章　グローバル・リスクの俯瞰(ふかん)
第１章 最大の脅威としての経済リスクと環境リスク
１.経済リスク
（１）経済バブルの崩壊
（２）長期間にわたる財政不均衡リスク
２.環境リスク
（１）公害
（２）気候変動
（３）地球温暖化
（４）巨大台風、異常気象の発生
（５）生物の多様性への影響
（６）巨大地震・津波、火山噴火、隕石落下
（７）パンデミック
第２章 日本が直面しているリスク
１.三つの安全保障
（１）国土の安全保障
（２）エネルギーの安全保障
（３）食料の安全保障
２.巨大自然災害と国土強靭化計画
３. 人口減少と少子高齢化社会
４. 規制・制度と「六重苦」
（１）規制・制度
（２）六重苦
第３章 企業の事業リスクとERM
１. ERMの対象リスク
２. 企業リスクの分類とマネジメント
３. リスク・マネジメントの対象リスク
（１）事業環境リスク
（２）企業統治リスク
４. クライシス・マネジメント
（１）リスクのドミノ現象
（２）リスクのクラッシュ
（３）クライシス・マネジメントの基本的アプローチ
（４）経済リスクの移転手段
５. 事業中断リスク
（１）事業中断に関わる費用
（２）自然災害を原因とする事業中断リスクのリスク移転の難しさ

第４章 日本人の甘いリスク認識
１.日本の経営者の甘いリスク認識
（１）三つの安全保障問題への希薄な意識
（２）世界の動きを意識しないことのリスク
（３）日本の自然災害リスクに対する世界の評価
２.日本企業の甘いリスク認識
（１）地震被害想定
（２）気象災害想定
３.不完全なキャット・モデル
４. リスクを甘く見たツケ
５. 安全保障に対する日本人の非合理的コスト意識
第５章 リスクを意識しないリスク　
—　イマージング・リスク、ボラティリティー、そして未来
１． 代表的なイマージング・リスク　
……自然災害、財政破綻、国土・エネルギー・食料、安全保障以外の代表的リスク
（１）クラウド・システムとビッグデータ、サイバーテロ
（２）ナノテクノロジー
（３）シェールガス、シェールオイルへの投資とリスク
（４）海洋資源開発と環境保護
（５）新興国の経済バブルの崩壊
（６）大気汚染の国際的拡散……PM2.5に代表される有害物質の日本列島への飛散
（７）食と環境の安全性……遺伝子組換え作物と汚染食物
２．リスクを意識しないリスク
あとがき