2011年4月~2012年3月に保険毎日新聞に登載した保険判例等研究会(会長=石田満上智大学名誉教授)の判例評釈24件を収録。
判例評釈執筆者は、丸山一朗(損害保険料率算出機構)、石田清彦(東海大学法学部教授)、小野寺千世(東海大学法学部教授)、出口正義(専修大学法学部教授)、吉川栄一(上智大学名誉教授)、田中秀明(NKSJひまわり生命保険)、上原純(明治安田生命保険)、清水太郎(ジブラルタ生命保険)、戸出正夫(元白鴎大学法科大学院教授)、石田満(上智大学名誉教授)、田爪浩信(日本大学法学部非常勤講師)、梅村悠(流通経済大学法学部准教授)、金元奎(韓南大学校法科大学法学部法学専攻教授)、市川典継(日本損害保険協会)、久保田光昭(琉球大学法科大学院教授)、菊地秀典(福岡大学法科大学院教授)、遠山聡(熊本大学法学部准教授)=掲載順、敬称略。
取り上げた判例は、「中間利息の控除の方法としてホフマン方式を採用したことが不合理といえない、とされた事例」(最三小判平成22年1月26日(上告棄却))、「保険金受取人に無断で支払を受けた者に対する不法行為に基づく損害賠償の請求を争うことが信義則に反するとされた事例」(最二小判平成23年2月18日(破棄自判))、「癌保険契約および医療保険契約の締結時における「職場健康診断の結果」の不告知につき告知義務違反とならない、とされた事例」(大韓民国大法院2011年4月14日(上告棄却))など。
第二部「新保険判例の動向」では、責任・新種・海上(運送)保険関係で10件、傷害・生命保険関係で9件、火災保険関係で6件、自動車保険関係で21件、総合で3件、計49件の判例についてコメントとともに主要個所を抄録し、一年間の保険判例の全体像を把握できるようにしている。