■本書の内容
自動車保険研究をライフワークの一つとする福田弥夫教授の長年にわたる自賠責保険制度の改正等への寄与により、国土交通大臣表彰「令和5年度(第65回)交通文化賞」を受賞した記念論文集。
自動車保険契約に関するこれまでの論文や判例研究について、「海外の自動車保険事情」、「海外保険スキームの自賠責保険制度への応用に関する考察」、「自賠責保険制度の諸問題」、「交通事故被害者救済のあり方」の4部構成による計14の論稿を掲載。
■本書の主な構成
第一部 海外の自動車保険事情
第1章 カナダの自動車保険制度―ノー・フォールト保険の現状と課題―
第2章 アメリカ自動車保険の改革―選択ノー・フォールト制度の行方―
第3章 アメリカ自動車保険の現状と課題―カリフォルニア州の動きを中心に―
第4章 カリフォルニア州自動車保険の混迷―低価額自動車保険試行プログラムの現状と課題―
第5章 アメリカ自動車保険の現状と課題
第二部 海外保険スキームの自賠責保険制度への応用に関する考察
第6章 自賠責保険のノー・フォルト化とその課題―自損事故惹起者の救済スキームのあり方を中心に―
第7章 交通事故訴訟と裁判外の紛争処理―わが国における強制調停・仲裁制度の可能性を中心に―
第8章 交通事故訴訟と裁判外の紛争処理―ニュー・ヨーク州とオンタリオ州における調停・仲裁制度の検討を中心に―
第三部 自賠責保険制度の諸問題
第9章 運行供用者責任と他人性の証明責任
第10章 レンタカー業者の運行供用者責任―最近の判例の検討とアメリカ法との若干の比較を中心に―
第11章 交通事故被害者の損害賠償請求権とその差押え―最高裁平成12年3月9日判決を中心に―
第12章 自賠法15条請求と同法16条の3の支払基準
第13章 自賠責保険支払基準の裁判所の拘束力
第四部 交通事故被害者救済のあり方
第14章 自賠責保険と交通事故被害者の救済―令和4年改正と新たな賦課金導入を中心に―
【著者略歴】
福田 弥夫(ふくだ やすお)
1958年青森県八戸市生まれ
1981年日本大学法学部法律学科(法職課程)卒業後 日本大学大学院法学研究科博士前期課程 後期課程を経て1987年八戸大学講師(専任) 同校助教授、教授を経て1999年武蔵野女子大学現代社会学部教授 その後2005年日本大学法学部教授 2017年日本大学危機管理学部教授 2024年4月より八戸学院地域連携研究センター教授(現在)
【主な公職等】
1999年2月~2005年3月 運輸省「今後の自賠責保険のあり方に係る懇談会」委員
2002年12月~2011年3月 「財団法人 自賠責保険共済紛争処理機構評議員」
2005年9月~2016年1月 金融庁「自動車損害賠償責任保険審議会」委員
2010年8月~現在 「自動車損害賠償保障制度を考える会」座長
2011年4月~2023年12月 「一般財団法人 自賠責保険・共済紛争処理機構」評議員会会長
2014年10月~2018年10月 日本保険学会理事長
2018年10月~2023年8月 国際保険法学会理事
2023年12月~現在 「一般財団法人自賠責保険・共済紛争処理機構」理事長
【主な著書・論文】
『生命保険契約における利害調整の法理』(成文堂、2005年)、『逐条解説改正保険法』(共編)(ぎょうせい、2008年)、『ポイントレクチャー保険法〔第3版〕』(共著)(有斐閣、2020年)
「生命保険契約と被保険利益―STOLIが提起した課題―」生命保険論集 生命保険文化センター設立40周年記念特別号(Ⅱ)(2016年)、「フラターナル保険の現代的意義―最近の状況を中心に―」明大商学論叢101巻2号(2019年)、「日本における自動運転車と事故解析」日交研シリーズA-774(2022年)