平成13年から平成27年9月までの15年間に及ぶ数多くの交通事故の民事裁判例から物的損害に関する裁判例を選び出し、全損となった車両被害者が請求した車両損害、その他費用損害の範囲と金額を分析した事例集である。
扱われている事例は、国産乗用車、外国産乗用車、タクシー・ハイヤー、トラック(タンクローリー、冷凍冷蔵車を含む)に限り、オートバイや原付の全損請求は、対象としていない。
判例は『交通事故民事裁判例集』、「自保ジャーナル」等の判例集から物的損害に関する判例を収集し、判例の個別解説では、一目で事故状況が理解できるように「事故状況図」が付けられ、「原告要求」、「被告答弁」、「判決」が並列に並べられ、原告要求の金額、被告の答弁内容、判決の結論がわかりやすく一覧表で示されている。判例を眺める感覚で理解できる工夫がされている。
示談交渉において、最も重要なことは、ある物的損害に関しては、認否両方の判例を含め、「これ以外に判例がない」と安心して交渉ができることにある。本書によって、その安心が得られる。
■本書の内容:
第1部 車両全損請求
第1章 車両時価の根拠とは
第2部 国産乗用車全損の場合
第1章 車両時価
第2章 車両買替諸費用
第3章 残存車検費用
第4章 廃車解体費用
第5章 個別裁判例図
第3部 外国産乗用車全損の場合
第1章 車両時価
第2章 車両買替諸費用
第3章 残存車検費用
第4章 廃車解体費用
第5章 個別裁判例図
第4部 タクシー・ハイヤー全損の場合
第1章 車両時価
第2章 装備品損害
第3章 車両買替諸費用
第4章 個別裁判例図
第5部 トラック全損の場合
第1章 トラックの種類と名称
第2章 車両時価
第3章 車両買替諸費用
第4章 残存車検費用
第5章 廃車解体費用
第6章 個別裁判例図
第6部 学説・文献にみる車両全損
第1章 車両全損の判断基準
第2章 全損車両の賠償額
第3章 時間算定根拠
第4章 車両買替諸費用
第5章 残存車検費用
第6章 廃車解体費用