日本がTPPに参加すると、参加した国では、経済取引が自由化され、企業は製品・サービスをより安く提供し、より有利な条件で売るチャンスが増えることになり事業者にとっては非常に有り難い環境が整備されることになります。ただし、これは協定に参加した相手国にも同じことが言えるわけで、競争相手の製品・サービスが、いま以上に安く市場に出回るようになることを意味します。いままでは、大企業が相手にしてきた外国企業を相手に日本の中小企業も相手にする時代がそこまでやってきています。海外から日本にやってくるライバルや新しい顧客を相手にするとき、また、あなたの会社が海外に打って出ようとするとき、それに伴うリスクに備えは万全か?この本の中にその答えが書かれています。
【日本図書館協会選定図書】
本書の主な内容
第1章 TPPと自家保険を理解するための基礎知識
TPPとは
経済連携協定(EPA)とは
自由貿易協定(FTA) とは
ASEAN(アセアン、東南アジア諸国連合)とは
包括的経済連携(RCEP、アールセップ)とは
自家保険会社とは
ドミサイル(domicile)とは
リスク(Risk)とは
リスクヘッジ(Risk Hedge)とは
第2章 TPPが変える企業環境
(1)TPP概要(2014年5月1日現在)
自由貿易協定であること
発足時は小国の戦略的提携であったこと
拡大交渉で米国等大国が加盟してきていること1
日本の対応と背景
自由貿易に関する協定
RCEP、アールセップの存在
なぜTPPに注目が集まるのか
(2)企業への影響:グローバル化
貿易の原理 29
貿易のメリット、デメリット
市場の範囲が国内からグローバルへ
企業の諸機能と場所
グローバル企業における本社の位置
事業本社の海外移転事例
移動のローコスト化
ビザ(査証)免除プログラム
安価な国際情報通信
売上高物流コスト比率の低下
(3)グローバル化のリスク
グローバル化による主なリスク
ゴーイングコンサーンとしての企業
リスクの評価とリスクヘッジ
(4)リスクヘッジとしての自家保険会社
第3章 世界の自家保険会社
(1)バミューダで生まれた自家保険会社
航海、貿易の安全な中継地、バミューダ
自家保険会社産みの親、フレデリックMライス
自家保険専門の保険会社:エース損害保険
バミューダ金融庁
首都ハミルトンは世界第34位の金融センター
(2)自家保険会社の所在国
世界中に6千社超
所在国の内訳
英国系3,223社の内訳
米国系2,247社の内訳
その他の国々の自家保険会社(480社)
第4章 自家保険会社の検討
(1)自家保険会社の定義
(2)少額短期保険会社との違い、特徴
(3)何が自家保険に適するのか
(4)積立金に対する課税上の問題点
(5)自家保険会社に適した国、地域
(6)日本企業の自家保険会社
①公表は約80社
②市場規模から見れば少ない日本の自家保険会社
(7)タックスヘイヴン対策税制
(8)設置候補地:ハワイとラブアン
第5章 自家保険会社の設立
(1)前提となるスキームの構築
事業展開の所在地と自家保険の目的
TPP圏内で売上げを伸ばすか、費用を下げるか
事業展開の所在地
リスクの測定、評価
スキームの検討・定義
保険の定義と試算
事業計画の概算
自家保険会社設置場所の検討
(2)調査
現地調査
日本国内調査
(3)申請
申請書の作成
申請書の提出、質疑応答、再提出
会社設立、登記
(4)免許取得、事業開始
免許取得
事業開始と送金
決算
見直し
外国子会社配当益金不算入制度
あとがき
巻末資料
保険業法(抜粋) 第一編 総則
法人税基本通達2-2-14(短期の前払費用)