自賠責保険の制度と実務を包括的に解説する唯一無二の書籍。法律改正、制度改定、最新判例を反映させ大幅に加筆修正を施した最新版。
本書は、自賠責保険および自賠責共済についての実務的かつ理論的な解説書である。昭和60年に初版を発行して以来、多くの実務家、法曹関係者、研究者に受け入れられ、前回の2008年版まで11回にわたり改訂を重ねてきたが、今回から年版表記をあらため、12訂版として発行することにした。
自賠責保険はわが国の自動車事故被害者救済制度の根幹をなす制度であり、昭和30年の創設以来、半世紀以上その重要な機能を果たしてきた。その間、制度の基本的な構造は維持しつつも、時代の要請に応じて多くの必要な制度改正がなされてきた。また、自動車事故被害者救済という制度目的のより一層の推進のため、あるいは制度の効率的運用を目的として、実務においてもさまざまな改善がなされてきている。このような自賠責保険に関する文献としては、根拠法である自動車損害賠償保障法についてのコンメンタールや解説書が数多く出版されており、また、自賠責保険を含めた自動車保険全般を対象とした書物も多数公刊されている。しかし、自賠責保険に限定して、制度改正の経緯をつぶさにたどり、現在の制度と実務を包括的に解説した文献はほとんど見当たらず、その意味で本書の存在する意義は大きい。
6年ぶりの改訂となる本書では、斯界の権威である伊藤文夫先生と佐野誠先生が編者となり、損害保険料率算出機構および日本共済協会所属の方々の協力のもと、記載内容をアップデートするとともに、必要に応じて大幅に加筆した。
第1章=自動車損害賠償保障制度
第2章=自賠責保険の契約から終了まで
第3章=事故発生から保険金支払まで
第4章=保険料率
第5章=自賠責共済
第6章=共同プール事務
第7章=保障事業
第8章=自賠責保険審議会および金融審議会自賠責保険制度部会