うず
高齢者用宿泊療養施設
どこでもらったのかさっぱりわからないが、コロナに感染した。喉に多少の違和感を感じたものの就寝、その夜珍しく寝汗をかいた。咳も出る。翌朝には発熱している。すぐに近くの診療所の発熱外来に出向いた。問診と検査、インフルエンザは陰性、コロナは陽性と告げられた。
独居老人でもあるコラム子は、自宅での蟄居(ちっきょ)には抵抗ないが、さて食事やその他はどうしたものか。食堂はご法度、スーパーへの買い出しも控えねばならない。なぜか「○○イーツでいいんじゃなーい?」のCMを思いながら思案していると、看護師からパンフレットを渡された。「高齢者・妊婦支援型宿泊療養施設のご案内」とある。
医療機関が患者の状況を総合的に判断し、入院の必要は無いものの、重点的な健康観察が必要で、自宅での一人療養は難しいとされると、病院からの通知で受け入れるとのこと。そして迎えの車両が自宅まで来てくれた。
入所中は、無論外出は不可で、定期的に体温、酸素飽和度SpO2の測定が行われる。食事は弁当だが、なによりも常駐の看護師にいつでも相談できるのが心強い。それでいて、入居者の負担は弁当代1食210円のみ、それも収入によっては減免される。数日後、数値の状況や看護師さんの観察結果から出所許可となり、自宅療養ということになった。
コロナが5類とされてから、全国のコロナ感染者用宿泊療養施設は次々と閉鎖されたが、東京都だけが1カ所だけ残してこの施設を運用していると聞いた。このような施設を各県でも設置できるように、保険業界として支援してもよいのではないか。「みなし入院」の特例を実施した業界なら可能ではないかと思う。(朗進)