うず
備えあれば(2024)
1月1日に発生した能登半島地震を受けて、あらためて防災の重要性を意識することになった。そうした折、2月20日から22日にかけて東京・台場の東京ビッグサイトで「2024年防災産業展」が開催されたので足を運んでみた。
うず「備えあれば」ではこれまで、防災関連の展示会に出展された機能的なグッズを紹介してきた。今回も、この産業展で出会ったいくつかの優れモノをピックアップしてみたい。
会場で目立ったのがトイレ関連の製品だ。これまで一般的な展示会では個人用の簡易トイレをよく見掛けたものだが、今回は避難所などで使用する中・大型の製品がスペースを占めていた。その中で注目を集めたのが、ほぼ紙でできた組み立て式個室トイレだ。樹脂製便槽タンク以外は超耐水性の板紙でできているという。大規模災害が発生すると建設現場で使用するようなボックス型トイレが運び込まれるが、道路状況が悪ければ設置までに時間がかかる。この組み立て式トイレは倉庫などにコンパクトに収納できる点がメリットだ。さまざまなパーツから構成され、組み立ても工具不要で20分ほどで完成するという。いわば紙工作の大型版という印象だ。耐荷重は200キロ、タンク容量は約400リットルで50人が約1週間使用でき、廃棄も焼却処分が可能だという。最近はトイレ問題は水よりも重大との声も聞く。
次に目を引いたのは地上設置型防災核シェルターだ。自動車1台分のスペースがあれば設置できる。特殊なろ過装置と鉛板などで放射性物質をはじめ、コロナウイルス、サリン、VXガス、火山ガスなどの有害物質を除去でき、一時的な避難を可能にするという。ついに防災も「核の時代」に入ったのか。(リュウ)