金融庁 「損害保険業の構造的課題と競争のあり方に関する有識者会議」報告書公表 健全な競争環境実現に向け意見取りまとめ 今後、法改正含め行政対応を早急に検討
金融庁は6月25日、「損害保険業の構造的課題と競争のあり方に関する有識者会議」(洲崎博史座長)の報告書を公表した。昨年以降明るみになった旧ビッグモーター社による保険金不正請求事案や大手損保による企業保険分野での保険料調整行為事案に関して、同庁が一連の行政対応等において認識した構造的な課題について顧客本位の業務運営の徹底、保険市場の健全な競争環境の実現の観点から3月~6月にかけて有識者会議を実施し、指摘された主な意見を取りまとめたもの。今後、実施を決めた施策のうち法改正が必要なものについては金融審議会の開催を早急に検討していく。法改正せずに実現可能なものについては、2024事務年度内に監督指針を改正するなど速やかに対応していく。
同報告書は、6月7日開催の第4回会議で提示された報告書案から文中の言い回しなど細かな修正を加えたほか、同会議での議論を踏まえていくつかの意見を盛り込んだものの大筋では同じ内容になっている。
冒頭の「Ⅰ.はじめに」では、一連の問題やそれを受けて行った金融庁の行政対応とその間の問題意識など有識者会議を開催した経緯を記載。続いて、同会議で有識者から指摘された具体的な意見をまとめたものとして、「Ⅱ.顧客本位の業務運
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