日本人の2人に1人ががんに罹患する時代に突入するなか、がん保険はいまや社会に大きく浸透し、がん医療を支える重要な医療インフラを形成する商品としてゆるぎない存在価値を発揮している。
　がん保険は、医学に密接に関係した究極の特定疾病保険として様々な特性を備えており、そのため、一般消費者や患者及びその家族にとって、商品性、商品設計、約款、危険選択などに関わる特異性ついて、適切で分かりやすい内容説明が必要となっている。
　本書は、保険会社の社員あるいは直接保険募集に携わる代理店や営業担当者が、がん保険を勧め販売するに当たって学んでおくべき事柄、例えば、医学と治療技術の進歩に伴うがんという病気の実態や、がん保険の特性、適用と支払にかかる問題など様々な項目について広く取り上げ、がん保険の正しい知識の獲得と適切な運用に資するため保険実務を視座に詳細に解説する。
　本書初版の『「がん」と「がん保険」』は、保険関係者を中心に広く活用いただいてきたが、４年ぶりに内容の全面見直しを行い、この度「新版」として上梓したものである。医師であり生保実務にも通暁する著者が、がん医療とがん保険の最新事情に保険営業・支払現場での意見や課題等を反映させて内容の充実化を図り、がん保険に関わるすべての関係者にとって必読のがん保険基本マニュアル書となっている。

■本書の内容：
はじめに
第Ⅰ章　がんとがん保険
Ⅰ-1　がん保険提供の意義
Ⅰ-2　がんの理解
Ⅰ-3　がんの医療環境
第Ⅱ章　がん保障の歴史と特定疾病保険
Ⅱ-1　がん保険販売の経緯
Ⅱ-2　がんを保障する商品
Ⅱ-3　その他の特定疾病保険
第Ⅲ章　がん保険の各種商品考察
Ⅲ-1　がん保障商品の基本
Ⅲ-2　がん入院給付金
Ⅲ-3　がん手術給付金
Ⅲ-4　先進医療保障と公的混合診療
Ⅲ-5　がん放射線治療給付金
Ⅲ-6　抗がん剤治療給付金
Ⅲ-7　診断給付金複数回支払
Ⅲ-8　がん保険の健康体割引
Ⅲ-9　がんの部位・種類別保障や進行度別保障
Ⅲ-10　罹患者用保険
Ⅲ-11　条件体と特別条件
Ⅲ-12　がん保険の付帯サービス
第Ⅳ章　がんの定義（上皮内新生物を含む）と保障
Ⅳ-1　ICD11 改正について
Ⅳ-2　がんの定義について
Ⅳ-3　上皮内新生物保障
第Ⅴ章　がん保険の約款
Ⅴ-1　無効規定
Ⅴ-2　待ち期間規定
Ⅴ-3　がん保険の失効、復活および復活契約における無効規定
Ⅴ-4　がん保険約款のその他の諸問題
第Ⅵ章　危険選択、その他
Ⅵ-1　がん保険加入時の危険選択
Ⅵ-2　支払い査定の課題
おわりに

■著者紹介
現職：株式会社保険医学総合研究所取締役兼所長
略歴：慶應義塾大学医学部卒後、膀胱癌研究で学位取得、三四会賞受賞。
　　　医療機関勤務を経て、千代田生命保険相互会社維持調査課長、医務部長。2001 年アメリカンファミリー生命保険会社で医務部部長、CAOJ 付メディカルディレクターを経て独立、現職。