本書が扱う「一般賠償責任保険」は、企業や個人向けの損害賠償を負担する保険であり、自動車保険、海上保険などの賠償責任保険は含まない。
賠償責任保険は、消費者保護を中心とした法制度の変更や判例動向、さらには社会の法意識の変化に応じても拡大する特徴がある。今後も賠償責任保険の役割は増大すると考えられる。
　第2版は、このように社会的にも重要な意義を有する賠償責任保険について、前書（『新・賠償責任保険の解説』2014年発行）を改訂のうえ、令和2年施行の改正民法を織り込み、賠償責任保険約款の解説を行うものである。新たに、個人賠償責任保険の約款解説を加えるとともに、一般賠責に関する裁判例を収集のうえ判例解説として掲載した。
　また資料として、損害賠償責任に関する法律上の入門的解説を、付録には各種約款および特約条項の条文も掲載した。
　本書は、賠償責任保険を扱う保険実務者にとって必読の約款解説書である。

◎本書の主な内容
第1章　賠償責任保険の歴史と概要
第2章　賠償責任保険普通保険約款の解説
第3章　事業者向け各種特別約款の解説
　第1節　施設所有（管理）者特別約款
　第2節　請負業者特別約款
　第3節　生産物特別約款
　第4節　受託者特別約款
　第5節　自動車管理者特別約款
第4章　個人賠償責任保険の解説
資　料　法律上の損害賠償責任
付　録　各種約款

【監著者略歴】
吉澤　卓哉（よしざわ・たくや）
1982年　東京大学法学部卒後
1982年－2013年　損害保険会社勤務
1999年－2001年　九州大学経済学部客員助教授
2013年－2015年　小樽商科大学大学院准教授、同教授
2015年－現　 在　京都産業大学法学部教授
博士（経済学・九州大学）、修士（法学・東京大学大学院）