うず
謎の早慶戦
過去2回しかやっていない「謎の早慶戦」があるというので、誘われるままに見物にいった。会場は某区民会館の集会室で、見覚えのある舞台が設置されている。なんと正式名称は「早慶合同落語会」。両校の落語研究会の2年生男女6人が交互に落語を披露しあう会だという。納得がいった。
通常の落語会と同様に、前座、中入り、主任(トリ)の形式をとっていたが、その順番に関係なく古典や意欲的な新作を含め、日頃の練習の成果が感じられ楽しませてもらった。出演者は噺のまくら(冒頭の導入部)で、それぞれ自分と相手校とのたわいのないエピソードを披露して笑いを取っていた。そして和気あいあいのうちに会は終了した。
この会は「早慶合同落語会」より「落語早慶戦」の方が「シャレ」が効いていて、もっと大勢の観客を集められるのにと思ってしまった。会場も大きくし、何なら本物の両校応援団にゲスト出演してもらっても盛り上がるだろう。
長い歴史を持ち数々のエピソードが伝えられている早慶戦のイメージや、一部のテレビドラマでの演出の影響なのか、早慶両校の運動部や応援団は仲が悪く、街で偶然会っても角を突き合わせるのではと一部に思われている。しかし、直接話を聞くと、本当は一番仲良く行動しているのが早慶両校のようだ。これは運動部以外のサークルでも同様で、ついには落語研究会も合同で発表会をやるようになったらしい。
そのうちどこかで「保険業界早慶戦」が始まるかもしれない。無論それはOBがけんか腰で競い合うような「ヤボ」なものではなく、業界発展への貢献を分かち合う「イキ」な会合となるに違いない。(朗進)