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 今年、広島は被爆から79年となる原爆の日を迎えた。昨年、広島平和記念資料館を訪れた人数は約200万人、そのうち約3分の1が外国人だったという。
 平和記念資料館は2019年、本館のリニューアル工事が完了し、東館と併せて通常の見学が可能になっている。35度を超える猛暑といえど見学者は絶えない。多い時は1時間ほど待つケースもあることから、最近ではすぐに入場できるウェブチケットも販売されている。
 やはり来場者の多くは外国からの見学者だ。大人に混じって子どもの姿も見られる。展示物の前には2重3重の列が続き、じっくりと見るのが難しいほどの混雑だ。ツアーガイドもとまどっている。
 原爆投下後の瓦礫と化した広島市内のパノラマ写真。人の影が黒く残る「人影の石」も展示されている。これは当時、住友銀行広島支店入口の石段に腰掛けていた人が強烈な熱線を浴び、その部分だけが影のように黒く変色している衝撃的な展示物だ。さらに、放射能や熱線で火傷を負った男性や焼けただれた女性の写真など、原爆の生々しい状況が次々と眼前に迫ってくる。
 1945年8月6日は損保業界にとっても悲劇的な1日となった。各社の支店の多くは爆心地に近い中心地にあったため、原爆が投下された午前8時15分、既に出勤していた社員や通勤途上にあった社員の多くが犠牲となった。今、平和記念公園には原爆で亡くなった損保社員を弔う「友愛の碑」と「全損保の碑」の二つの慰霊碑が建つ。
 あの日から80年近くたった今でも、世界では相変わらず核の脅威が残っている。原爆という魔物の犠牲となった彼らへどのように報いるべきか、その言葉が見つからない。(リュウ)

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