乗合代理店・出向者による顧客情報漏えい損保大手4社が調査結果を公表
東京海上日動、三井住友海上、あいおいニッセイ同和損保、損保ジャパンの4社は、乗合代理店と保険会社間のメール連絡に伴う情報漏えい(乗合代理店事案)および乗合代理店への出向者による情報漏えい(出向者事案)について、その調査結果、再発防止策などを8月30日に金融庁に報告し、その内容を謝罪コメントとともにそれぞれ公表した。
【東京海上日動】
乗合代理店事案は、乗合代理店の本社管理部門から各拠点宛に顧客情報(契約満期一覧や事務不備リスト等)が送信された際、宛先に各保険会社の担当者が含まれていたことにより顧客情報が他保険会社に漏えいしたもの。東京海上日動でも、同社顧客情報を乗合代理店に送信する際、宛先に他保険会社の担当者を設定していたことにより漏えいを発生させたケースがあった。調査の結果、384代理店から約86万件が漏えいした。発生時期は最も古いもので2012年から。漏えい内容は契約者名、証券番号、保険種類、保険期間、保険料等。漏えいがあった背景には、乗合代理店の本社管理部門から各拠点に対して、保険契約の更新や事務不備等の対応を指示する際、保険会社側にも指示を共有するためメールを送信していたことがあり、同社としても、受信した情報を確認し、担当
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近年、台風や大雨、地震などの自然災害発生回数が増加、また被害規模も拡大しており、損害調査の迅速化・効率化が求められていることから、デジタルを活用した損害調査が不可欠になっている。三井住友海上とあいおいニッセイ同和損保は、「自然災害におけるデジタルを活用した損害調査」に力を入れており、顧客の利便性向上や支払期間の短縮に成果が出ている。その中で、特に顧客から評価の高い「建物損害額AI算定システム」と「立会アポイントシステム」について詳細を聞いた。
昨今、自然災害が激甚化・頻発化しており、特に2018年度、19年度には業界全体で1兆円を上回る規模の保険金支払額となった。また、18年の台風21号や19年の台風15号では修理業者も多数被災した上、修理依頼が殺到したため、顧客が見積書を受け取るまでに数カ月を要したケースもあった。一方、被災後に当座の生活資金や建物の応急処置費用等の資金が必要となるため、保険金を早期に受け取りたいという顧客のニーズは高いという課題があった。
そこで、三井住友海上とあいおいニッセイ同和損保は、見積書の提出を待たずに同社主導で損害額を算定し、顧客に対し、早期に保険金を届けることを目的として「建物損害額AI算定システム」を導入した。
同システムは、20年度から検討を開始し、21年3月からPoCを開始した。
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