地域のお祭り

　近くで大道芸人や出店が出る本格的なお祭りがあるというので、見物に行った。コラム子も住むこの地域は、昭和の末に海岸埋立地に造られた住宅団地であるから、よくある地元の神社仏閣の境内で開かれるような祭礼はもとより存在しない。不思議に思いながら行ってみると、この地域にある各団地の自治会が連合して主催した本格的な催しだった。
　普段はコンクリートで固められただけの殺風景な場所に、自治会の名前の入ったテントが並び、自治会の役員やこの日のために集まってくれた地域在住のボランティアがそれぞれ工夫を重ねた出店が軒を連ねている。駄菓子のお店は、駄菓子を「金魚すくい」よろしく「お菓子すくい」をさせていた。オリジナルのキーホルダーなどの小間物店では、その場で手作りもさせている。さらに子ども用乗車遊具広場などに加え、記録確認証を発行する昔懐かしい子どもの遊び「けんけんぱ」の持続距離を競うチャレンジ会まであった。
　プロの大道芸人さんはもちろん、運営若手ボランティアの友人らしいプロのギター奏者、熟年のバイオリン奏者のコンサートも参加者を大いに楽しませていた。
　子どもたちを中心に、親子や主催者側を含めた老若男女が地域相互交流を本当に楽しんでいることが感じられ、うれしくなってしまった。昔から続く「お祭り」が、現代でも地域交流と絆の形成に多大な貢献をすることが確信できたひと時だった。
　最近、保険業界各社が地域との連携に務め、発展に協力・貢献する活動を強めている。今回の祭りの中に「健康促進のための体力測定会」の出店があったら地域に溶け込み盛り上がるのではないかと、ふと思ってしまった。（朗進）