ページトップ

News Headline ニュースヘッドライン

ホーム ニュースヘッドライン 2024年11月 損保協会 第14回保険金不正請求防止事案担当者表彰式開催 13社・29事案・48人を表彰 佐藤委員長「毅然とした対応が一層求められる」

損保協会 第14回保険金不正請求防止事案担当者表彰式開催 13社・29事案・48人を表彰 佐藤委員長「毅然とした対応が一層求められる」

SHARE

Twitter

 損保協会は10月15日、東京都千代田区の損保会館で第14回保険金不正請求防止事案担当者表彰式を開催した。保険金の不正請求は適正な保険制度の運営を阻害し、保険料の上昇を招く要因になることから、同協会では重点課題の一つとして保険金不正請求対策に取り組んでいる。同表彰式はその一環で行われており、警察と連携を図り保険金不正請求防止に貢献した損保会社の事案担当者を毎年表彰している。14回目となる今回は、13社29事案、合計48人を表彰(出席者は33人)し、同協会の佐藤満損害サービス委員会委員長(あいおいニッセイ同和損保)が表彰状と記念品を授与した。

 今回の対象事案は、2023年7月から24年5月に、警察連携(警察へ告訴、被害届提出、全国の防犯対策協議会の枠組みの活用など)を図り、保険金不正請求を防止できた事案のうち、損保各社から推薦があり、同協会損害サービス委員会で選定したもの。「保険金不正請求発覚後、保険会社から警察に相談を行った上、警察と密な連携を図り対応しているもの」「不正請求行為者に対し毅然とした対応を行っているもの」「事案対応により保険金不正請求行為の続発防止につながったもの」「自社内において新たな不正請求防止手法と評価されたもの」「他社と連携して不正請求を防止できたもの」などが選定された。
 開会あいさつを行った佐藤委員長は、昨今の不正請求事案は巧妙化、複雑化してきていると述べた上で、「こうした不正請求に対して警察と連携の上、排除に努めている皆さまの活躍は、不正請求者の排除に加えて潜在的な不正請求の防止、抑止にも大きく貢献している」と語り、表彰者の努力をたたえた。また、昨今では、旧ビッグモーター社の不正請求問題を受け、損保業界に対する世間の目は非常に厳しいものとなっているとし、不正請求に毅然とした態度で立ち向かっていくことがより一層求められると述べた。
 次に、来賓としてあいさつした警察庁交通局交通指導課長の磯丈男氏は、「保険金の不正請求に関して、日頃から事件解決の手掛かりとなる貴重な情報をご提供いただき、感謝申し上げる」と述べ、保険会社各社にあらためて謝意を示した。
 続けて、「今回表彰された事案は、皆さまからの情報を基に保険金詐欺事件として検挙に至ったものや、保険金の不正請求を未然に防ぐことができたものだが、いずれも不正を決して許さないという強い使命感の下、積極的に行動を起こされたことが評価されたものと認識している」と語った。
 さらに、保険金詐欺については近年、悪質・巧妙さが増しており、こうした事件を未然に防止するためには保険会社の協力が不可欠となるとした上で、「引き続き、皆さまと連携して諸対策を講じていく」と結んだ。
 出席した33人に対して佐藤委員長から表彰状と記念品が授与された後、受賞者を代表してあいおいニッセイ同和損保中国損害サービス部岡山第一サービスセンターの右手奈央子氏があいさつした。
 同氏は、「今回の受賞事案を経験したことで、いかに情報の収集、共有がモラル対応を行う上で重要かを実感した」と述べた上で、「受賞は、相談に乗ってくれた仲間や先輩方、適切な面談等を実践された調査会社や弁護士の先生といった周囲の協力があったからこそ。皆さんに感謝の気持ちを伝えたい。お客さまからいただいた保険料を適切にお支払いすることが損害サービス部門の使命であり、それは不正請求に対応することも大いに含まれる。今回得た経験を生かし、今後出会う不正請求に対しても毅然とした適切な対応を行っていく」と意気込みを述べた。

 表彰対象事案
 1.あいおいニッセイ同和損保「実際には行っていない消毒作業を行ったものと虚偽申告し、保険会社に対して不正に保険金を請求した事案」(鳥取県)
 2.同「事故状況を偽って申告し、不正に保険金を請求した事案」(兵庫県)
 3.同「事故当事者全員が結託して偽装事故を起こし、不正に保険金を請求した事案」(茨城県)
 4.イーデザイン損保「故意に衝突事故を引き起こし、不正に保険金を請求した事案」(埼玉県)
 5.同「故意に接触事故を引き起こし、虚偽申告により不正に保険金を請求した事案」(広島県)
 6.同「中古車販売業者の敷地内で車両を放火し、不正に保険金を請求した事案」(埼玉県)
 7.AIG損保「事故後に特約(車両危険限定特約)を解約し、事故日の虚偽申告を行い、不正に保険金を請求したアフロス事案」(三重県)
 8.同「契約者と修理業者が共謀して風災事故を捏造し、不正に保険金を請求した事案」(大阪府)
 9.共栄火災「架空通院について保険金額請求書類を捏造し、不正に保険金を請求した事案」(広島県)
 10.同「虚偽の事故報告・立証書類の偽装を行い、不正に保険金を請求した事案」(北海道)
 11.セコム損保「遠方への架空レッカー費用について、不正に保険金を請求した事案」(宮城県)
 12.同「接骨院が発行した領収証を偽造し、不正に保険金を請求した事案」(宮城県)
 13.セゾン自動車火災(現SOMPOダイレクト)「ロードサービスにまつわる事案において、虚偽事故・自損・架空請求等の不正請求を継続的に行っていた事案」(福岡県)
 14.損保ジャパン「整骨院の通院日・施術費用や内容を偽造し、不正に水増し請求を行った事案」(新潟県)
 15.同「整備工場が契約者と共謀し、ロードアシスタンスと代車特約を悪用した不正請求を繰り返した事案」(東京都、神奈川県を中心とした関東近県)
 16.同「リスティング広告を利用した悪質レッカー業者による不正請求事案」(静岡県他)
 17.大同火災「整骨院通院にかかる水増し請求・施術日の虚偽報告により、不正に保険金を請求した事案」(沖縄県)
 18.東京海上日動「故意に車両事故を起こし、不正に保険金を請求した事案」(北海道)
 19.同「受傷を装って虚偽申告を行い、不正に保険金を請求した事案」(愛知県)
 20.日新火災「レッカーやレンタカーを利用していないにもかかわらず、契約者と業者が結託して、虚偽申告を行い、不正に保険金を請求した事案」(三重県)
 21.三井住友海上「被害者と加害者が結託し、1DAY保険加入後に故意に事故を発生させ、不正に保険金を請求した事案」(神奈川県)
 22.同「修理工場が部品伝票を偽造し、不正に部品代を請求した事案」(長崎県)
 23.同「法人契約の保険において、契約者とその従業員、整骨院院長が共謀し、通院日を水増しして不正に保険金を請求した事案」(東京都)
 24.三井ダイレク卜損保「過去複数回の接触事故に対して、実修理を行っていないにもかかわらず、複数の保険会社に不正に保険金を請求していた事案」(熊本県)
 25.同「休業損害に関する資料を偽造し、不正に保険金を請求した事案」(東京都)
 26.同「虚偽報告および請求書類の使い回しにより、複数の保険会社から重複して保険金を受け取ろうとした事案」(大分県)
 27.楽天損保「携行品損害の偽装・捏造により、複数の保険会社に対し、同一の損害写真を提出して不正に保険金を請求していた事案」(群馬県)
 28.同「カード保険を悪用し、盗難事故を捏造して複数の保険会社に不正に保険金を請求した事案」(神奈川県)
 29.同「業者が故意的に瓦屋根を落とし、台風損害と偽って不正に保険金を請求した事案」(大分県)

Pick Up
DEIのDive InフェスでAI、ウェルビーインング、仕事と介護など多彩な論議(10-11面)

 ロイズ・ジャパン、AIGジャパン・ホールディングス、エーオン、Chubb損保、マーシュジャパン、マーシュブローカージャパンが参画する「日本におけるDiveInフェスティバル運営委員会」は、世界同時開催時期に合わせて「DiveInフェスティバル2024」を9月25日、26日の2日間にわたり、東京都千代田区の紀尾井カンファレンスの会場とオンライン配信のハイブリッド型で開催した。今年のフェスティバルのテーマ「A Sustainable Future: The Next 10Years:持続可能な社会の実現に向けて―次の10年への課題―」の下、AI、ウェルビーイング、介護などに焦点を当てた三つのテーマのセッションと二つの特別講演が行われた。フェスティバルには1372人が登録し、セッション・講演に合計893人(各イベントの参加者の延べ人数)が参加した。

 「DiveInフェスティバル」はダイバーシティとインクルージョンをテーマとする保険業界唯一の国際的な催しで、小規模の保険ブローカー(仲立人)から大手多国籍保険グループに至るまで、保険業界のさまざまな組織が一致団結し、毎年9月に世界各地で開催している。日本での24年のイベントパートナー会社には、AIGジャパン・ホールディングス、アリアンツ火災、エーオン、Chubb損保、ギャラガーリージャパン、HDI Globa

続きは新聞でお読みください。
(2週間無料でお試しいただけます)
新聞購読申し込み

SHARE

Twitter