第一生命HD 24年度末決算 グループ修正利益38%増の大幅増益 24円増配し配当性向45%に
第一生命ホールディングスが5月15日に発表した2024年度末決算によると、国内は第一生命で順ざやが大幅に改善、第一フロンティア生命で大幅増益となったほか、米プロテクティブ、豪TALともに順調で円安効果もあり、海外全体で修正通期予想に対して104%と順調な進捗となった結果、グループ修正利益は前期比38%増の4395億円(2月修正後の通期予想に対する達成率106%)を計上。修正ROEは増益に加え国内株の削減効果もあり、同2.5ポイント上昇し10.7%で、良好な経済環境を背景に2指標ともに26年度目標値を前倒しで達成した。
第一生命HDの連結経常収益は前期比10.5%減の9兆8732億円、連結経常利益は同33.4%増の7190億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同33.9%増の4296億円、グループ基礎利益は同22%増の6388億円となった。
グループ修正利益が38%増と大幅増益となった要因としては、第一生命で国内株式売却が順調に進捗した他、経済環境がおおむね良好に推移したことで利配収入が上振れるなど順ざやが大幅に改善したこと、第一フロンティア生命で米金利急騰懸念の後退に伴う運用費用の減少や円安に伴う解約益の増加等により修正予想には届かなかったものの前期比で大幅増益となったこと、海外事業で、米プロテクティブは現地通貨ベースで順調に推移し期末の円安環境による持ち上げもあり円貨ベースでも修正予想を超過したこと、豪TALは3月末にかけて円高が急速に進展したものの円貨ベースでも修正予想を達成したこと―などが挙げられている。
24年度の株主還元では、グループ修正利益の増益により前期比24円増配の137円(期末配当76円)とし、資本効率の改善状況等を踏まえ配当性向を45%に引き上げる。25年度の株主還元は、配当計算に用いる3年平均利益からコロナ影響で利益が低かった年度が除かれる影響もあり、同55円増配の192円と大幅増配を見込む。
グループ新契約価値は、グループ全体では前期比(新基準ベース)61%増の1724億円。第一生命で新商品投入に伴う活動量増加に伴い大きく増収となったほか、海外各社については円安の影響も受け、前期比(新基準)で数値を伸ばした。今回から海外子会社についても新基準での算出を開始しており、旧基準で伝統的手法を採用していた子会社で保障性商品で割引率が低下し評価が向上したことなどによって新契約価値が増加した。
24年度末のグループの営業業績では、新契約年換算保険料は前年比8.6%増(除く為替影響で同6.4%増)の5464億円となった。国内は、第一フロンティア生命が昨年の反動で減少し、国内4社計で同8.7%減の3457億円。海外は、米プロテクティブで経営者保険の販売が好調だったほか、豪TALは大型団体保険獲得で増収となり、海外6社計で同61.5%増(除く為替影響で同52.4%増)の2007億円だった。グループ計の保有契約年換算保険料は、前年比3.1%増(除く為替影響で同1.9%増)の4兆9593億円だった。
25年度末の連結業績予想については、利配収入や保険関係損益の減少により第一生命で減益となる一方で、第一フロンティア生命や米プロテクティブ等の増益、アセットマネジメント事業の貢献等により、グループ修正利益は前期比7%減の4100億円を見込む。なお、米プロテクティブについては前期に実施した再保険取引の影響により会計上減益となるが、当該影響については修正利益の計算対象外としている。経常収益は7.2%減の9兆1620億円、経常利益は14.2%減の6170億円、親会社株主に帰属する当期純利益は19.2%減の3470億円を見込む。グループ連結の基礎利益は14%減の5500億円程度を見込む。
グループ各社の業績を見ると、第一生命の個人保険・個人年金保険計の新契約年換算保険料は前年比66.7%増の960億円。保有契約年換算保険料は同0.2%減の1兆9450億円。
経常収益は前年比3279億円増の4兆4150億円で、このうち保険料等収入は同1515億円減の2兆1384億円。資産運用収益は同481億円増の1兆3519億円。経常費用は同1806億円増の3兆8763億円で、このうち保険金等支払金が同1026億円増の2兆6631億円、責任準備金等繰入額が同0億円減の84億円、資産運用費用が同602億円増の5520億円、事業費が同243億円増の4094億円だった。経常利益は同1473億円増の5386億円、当期純利益は同1016億円増の3055億円だった。
基礎利益は、事業費増加等に伴い保険関係損益は減益となったが、円建債券・オルタナ資産の利配収入増加やヘッジコストの減少等による順ざや改善に伴い、同9%増の3603億円を示した。修正利益は、基礎利益の増益に加え、金融派生商品損益の改善や、有価証券売却益および投信解約益の増益等により、同41%増の2871億円。
第一生命単体のソルベンシーマージン比率は、前年度末から12.1ポイント下がり852.9%。
第一フロンティア生命の個人保険・個人年金保険計の新契約年換算保険料は前年比23.8%減の2294億円だった。保有契約年換算保険料は同4.8%増の1兆2342億円。保険料等収入は同14%減の2兆9992億円。当期純利益は同110%増の329億円。基礎利益は、新契約関連費用や標準責任準備金繰入額の減少等で保険関係損益が対前期で大幅に改善し、同958%増の881億円となった。修正利益は、外国債券の入替えに伴う売却損が増加したものの、基礎利益の増益と危険準備金の繰入れが減少したこと等により、同117%増の302億円。グループ内への出再ブロックを含む利益貢献額は同101%増の497億円。
ネオファースト生命の個人保険の新契約年換算保険料は前年比0.4%減の131億円。保有契約年換算保険料は同0.1%減の1000億円だった。保険料等収入(再保険収入除く)は、がん保険、三大疾病一時給付保険の販売が好調だったものの、経営者保険の解約に伴う保有契約の減少等により、同0%減の1018億円だった。当期純利益は、保有契約の減少により同52億円減の▲63億円。基礎利益は同43億円減の▲53億円。
海外保険事業では、米プロテクティブは、営業利益は、リタイアメント事業での運用が好調だった一方、プロテクション事業での死亡率前提の見直しによるマイナス影響や、ステーブルバリューとアセットプロテクション事業の収益性低下等により、前期比7%減の4億6400万米ドル。単体の当期純利益は、23年3月に破綻した銀行の債券等の減損や、商業用不動産ローン貸倒引当金の積増し等により落ち込んだ前期から235%増の3億8900万米ドルで、修正利益は同213%増の3億6300万米ドルとなった。
豪TALは、基礎的収益力は、TAL全体で保険金支払いが増加した一方で、TLIS(旧Westpac Life)は前期を上回り、前期比1%増の4億5500万豪ドル。当期純利益は、金利変動等に伴う資産・保険負債の変動の影響が剥落し、同3%減の4億1600万豪ドル。金利変動等の影響を除外した修正利益は同11%減の3億9800万豪ドル。
第一生命ベトナムは、保険料等収入は、業界全体の銀行窓販チャネルのモメンタム低下により初年度保険料、継続保険料が共に減少し、前期比2%減の19兆2080億越ドン。当期純利益は、金利変動に伴うユニバーサル保険の責任準備金の再評価が前期の繰入れから今期戻入れに転じた一方で、保険料等収入の減少、保険金・解約返戻金等の増加により、同12%減の2兆1260億越ドン。
HDI―Japanは5月14日、東京都新宿区の京王プラザホテルでカスタマーサポートにおける優秀企業を表彰する「HDIアワード2025」を開催した。表彰式では、24年度のWebサポート格付け、問合せ窓口格付け、クオリティ格付けで三つ星を獲得した企業等、また、五つ星・七つ星を獲得した企業を紹介した。保険業界からは昨年度より1社多い17社が表彰され、その中で、SBI損保、あいおいニッセイ同和損保がサポート業界で唯一の国際スタンダードに基づく、サポートセンター国際認定(七つ星)を獲得した。あいおいニッセイ同和損保の七つ星獲得は2年連続となった。当日は保険業界の他、金融、通信など多様な業界から85社、合計約350人が参加した。
開会のあいさつで同社代表取締役CEOの山下辰巳氏は、「日本のサポートセンターのベスト・オブ・ザ・ベストの人たちが集まった。交流を深め、さまざまな情報交換をしてもらいたい」と呼び掛けた。
パートナー企業のあいさつでは、パーソルビジネスプロセスデザイン㈱執行役員ワークスデザイン事業本部本部長の軽井宏直氏が登壇し、サポートセンターの実務について、オペレーターが取りためたコールのデータやナレッジを、生成AIを活用してプロフィットを生み出せるようになってきていると述べた上で、いよいよサポートセンターをコストセンターからプロフィッ
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