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損保協会 「便宜供与適正化ガイドライン」を策定 「過度の便宜供与」で通報窓口も設置 「募集コンプライアンスガイド」も同時に改定

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 日本損害保険協会では9月5日、「損害保険会社による便宜供与適正化ガイドライン」を策定するとともに、過度の便宜供与への該当が疑われる事案について、損害保険会社の役職員からの通報を受け付ける通報窓口(「損害保険会社による便宜供与の適正化に関する通報制度」)の運営を開始した。「募集コンプライアンスガイド」の改定も同時に実施。5月に成立した保険業法改正や「損害保険業等に関する制度等ワーキング・グループ」の提言内容を分かりやすく解説した特集ページを新設するとともに、昨年12月に作成した「募集コンプライアンスガイド(第2版)」の内容を統合し、「過度の便宜供与に係る体制整備」の項目を新設し、構成等を全面的に刷新した。

 「保険会社向けの総合的な監督指針」では、保険代理店等に対して行う過度の便宜供与は、顧客の適切な商品選択の機会を阻害するおそれがある不適正な行為とされ、その防止を求めている(監督指針Ⅱ―4―2―12)。金融庁の「損害保険業の構造的課題と競争のあり方に関する有識者会議」報告書では、解消すべき便宜供与についての解釈が損保会社間で異なることのないよう、損保協会が明確かつ具体的な基準を含めたガイドラインを策定するとともに、各損保会社の取組状況を定期的にフォローアップする仕組みを構築していく必要があること、また、この仕組みの実効性を確保する観点から、損保会社の役職員等からの通報窓口を設置することも重要であることが示されていた。 
 便宜供与適正化ガイドライン
 「損害保険会社による便宜供与適正化ガイドライン」は、「保険会社向けの総合的な監督指針」で過度の便宜供与の防止が定められたことに伴い、損保会社の代理店等に対する便宜供与の適正化を図り、「顧客本位の業務運営の徹底」および「健全な競争環境の実現」、さらに「保険代理店の自立化」を実現することを目的としている。
 同ガイドラインでは、便宜供与の適正化により損保会社が目指すべき姿や、適正化にあたり遵守すべき法令等を明記したうえで、損保会社の役職員として便宜供与の適否を判断するための基本的な考え方(判断の目安)を整理している。また、過度の便宜供与の該非判断にあたって、参考となる代表的な便宜供与の事例を取り上げた「想定事例集」も作成した。
 同ガイドラインによると、これまで損保協会では「実質的に自社の保険商品の優先的な取扱いを誘引する便宜供与」を、「過度な便宜供与」と定義してきたが、監督指針改正を踏まえ、「自社の保険商品の優先的な取扱いを誘引する便宜供与」を含めた「顧客の適切な商品選択の機会を阻害するおそれのある便宜供与」全般を「過度の便宜供与」と再定義した。「過度の便宜供与」の類型として、まず、(1)「約定する行為」(ニギリ)および「達成基準を課す行為」(ノルマ)の性質を有するもの―を挙げ、(1)の性質を有することが明らかでない場合であっても、(2)として、実質的に自社の保険商品の優先的な取扱いを誘引すると判断されるもの―と整理した。
 「保険代理業以外への便宜供与」についての判断の目安としては、①必要性:便宜供与の趣旨・目的に照らし、損害保険会社の業務運営上、または社会儀礼として、必要性があると認められるものか②適正性:その価格・数量・頻度・期間の適正性が認められるか③公平性:保険代理店間の公平性が十分に認められるか④合理性:上記①~③の要件が社会通念等に照らして客観的な合理性をもって(保険契約者、さらには社会に対して)説明ができるか―を挙げた。
 また、「保険代理業への便宜供与」については、上記①~④の要件に加え、▽オーバーコミッション:保険代理店が負担すべき費用を損害保険会社が負担していないか▽教育・管理・指導/社員代行:保険代理店が自らの責任において行うべき業務に対して損害保険会社が役務を提供していないか―の点に留意することを求めている。
 なお、これらの「過度の便宜供与」については、「損害保険会社の役職員個人が便宜供与する場合においては、休日等の業務時間外であるか、勤務扱いであるかに関わらず、同様の観点で適否を判断する必要があることに留意する」とも指摘している。
 同時に策定された「損害保険会社による便宜供与適正化ガイドライン(別冊)想定事例集」には、「保険代理業以外への便宜供与」として、社有車の購入、会議室の貸出し、顧客等の紹介、役職員の派遣、広告契約の締結、協賛金の負担、「保険代理業への便宜供与」として、顧客訪問への同行、契約手続きの支援、保険募集に関する広告費、システム開発・保守運用に関するコスト、ロスプリベンションサービス―が掲載されている。
 通報窓口設置
 「損害保険会社による便宜供与の適正化に関する通報制度」は、損保協会に通報窓口を設置し、上記ガイドラインに加え、「損害保険会社からの出向者派遣に係るガイドライン」および「政策保有株式に係るガイドライン」に関連する過度の便宜供与への該当が疑われる事案を対象として、損保会社の役職員からの通報を受け付けるもの。損保協会は、通報の相手方となった損保会社に通報内容を通知し、通報を受けた損保会社では、通報内容に基づき事実関係の確認を行い、過度の便宜供与への該非を判断のうえ、改善につなげる。また、この制度を通じて入手した情報(全体の傾向等)については、損保会社へ共有するほか、代理店業務品質評議会へ定期的に報告することで、本制度の運営および各種ガイドラインの改定等につなげていく。また、金融庁にも定期的に報告する。
 26年度以降は、本制度と代理店業務品質評議会が設置する通報窓口を一本化し、一般消費者や保険代理店を含め、業務品質について広く通報を受け付ける予定とのこと。
 「募集コンプライアンスガイド」改定
 損保協会の「募集コンプライアンスガイド」は2007年3月に初めて作成され、今回改定した「募集コンプライアンスガイド」は、第17版になる。
 今回の改定では、5月に成立した保険業法改正や「損害保険業等に関する制度等ワーキング・グループ」における提言内容を分かりやすく解説した特集ページを新設。また、この8月に施行した「保険会社向けの総合的な監督指針」の改正を受けて、24年12月に作成した「募集コンプライアンスガイド(第2版)」の内容を統合し、「過度の便宜供与に係る体制整備」の項目を新設した(4―4代理店等に対する過度の便宜供与の禁止、4―5非対面募集、4―6取引時確認、4―7団体契約等の管理)。さらに、関連法令の改正等を踏まえた所要の見直しを行い、構成等を全面的に刷新している。

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メタバースで業務体感ワークショップを実施する損保ジャパン(10面)

 損保ジャパンは、8月25日~26日、9月11日~12日(10月にも開催予定)の日程で東京・大阪・5大都市以外の地域に向けてメタバースでの業務体感ワークショップ「SOMPO Metaverse」を実施している。「保険金サービス部門」と「営業部門」の業務をメタバース空間を利用したワークで体感するもの。メタバース空間を活用した業務体感ワークは1dayのイベントとして25年3月に初実施、夏のインターン時期での実施は今年が初めてとなる。メタバースを活用することで地域の学生たちにも同社・損保の業務を理解してもらう機会を増やすことを目的としている。

 近年、就職活動が早期化・長期化の傾向にある中で、学生側は参加するインターンシップやワークショップを厳選する傾向を強く感じており、企業側には学生にとって魅力的なコンテンツを提供し、学生との接点機会を作ることが求められている。
 同社は「SOMPO Academy」と題して①本質的な企業・業務理解促進②未来を見据え、社会人へと踏み出す学生一人ひとりのための就活支援―をコンセプトに、インターンシップ・ワークショップを年間通して開催している。
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