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東京海上HDほか 「物流コンソーシアム baton」合同記者発表会 企業横断型「ドライバー交換方式中継輸送」始動 RMの知見生かし共創後押し

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 東京海上ホールディングスをはじめとする11法人で発足した「物流コンソーシアム baton」は、特積企業横断型「ドライバー交換方式中継輸送」の開始に伴い、11月20日に合同記者発表会を開催した。同コンソーシアムは、企業の垣根を超えた連携を通じて日本の物流の持続可能性を高めることを目的に2024年11月に設立されたもので、26年2月から、国内初となる複数の特積事業者による中継輸送の実証運行を開始する。当日は、主催者を代表して同社の小池昌洋社長があいさつしたほか、東京海上日動の城田宏明社長が同コンソーシアムの取り組みを紹介した。また、東京海上スマートモビリティの原田秀美社長が企業横断型中継輸送運行の詳細について説明した。

 冒頭、小池社長はあいさつで、「東京海上グループは創業以来、『お客様や社会の“いざ”をお守りする』というパーパスの下、さまざまな社会課題の解決に取り組んできた。時代とともに変化する課題に対応し、より良い明日をつくることこそが、われわれの存在意義だ。本コンソーシアムにおいても、企業や業界の垣根を越えた共創を促す中立的な推進役として、その使命を果たしていきたい」と述べ、同コンソーシアムの取り組みの一環となる特積企業横断型「ドライバー交換方式中継輸送」について、「ドライバーの負担を軽減する中継輸送は、働き方の改善や若年層の雇用促進につながるとともに、物流業界の持続可能性を高める有効な手段として物流のあり方そのものを見直す契機にもなると考えている」と自信をのぞかせた。
 次に、西濃運輸㈱の髙橋智社長が、物流業界の課題や同コンソーシアムの活動意義について説明。日本の物流業界が、人手不足と高齢化、厳しい労働環境、働き方改革関連法による輸送力低下など多くの課題を抱える中、社会インフラである物流を止めないためには、競争から共創へ価値観を転換して業界全体でルール設計や法整備など個社の枠を超えた共通の基盤を構築することが不可欠だと強調、その上で、「『baton』が多数対多数の共創プラットフォームとして発展することで、多くの企業の参画と環境整備が進み、持続可能な物流の実現につながると確信している」と力を込めた。
 続いて城田社長が、同コンソーシアムの取り組みや今後の展望などを紹介した。東京海上日動は物流リスクに関する保険を祖業にし、企業間連携による持続可能なサプライチェーン構築に挑戦しており、その象徴である同コンソーシアムの中核を成すのが、複数企業が輸送ルート情報を共有して長距離輸送を分担し、ドライバーの負担を軽減した効率的な輸送体制を実現する企業横断型中継輸送だと述べた。一方で、企業横断型中継輸送の実現には、リスク整理と現場における実務的な連携が重要であることから、リスク負担ガイドラインの策定や実運用オペレーションの摺り合わせを行い、実証運行の円滑な実施に向けた運用体制を構築したと説明。26年2月から2組の企業間でドライバー交代方式の実証運行を開始し、物流の新たなスタンダードとして業界に浸透させることを目指すとした上で、「物流は社会や経済の血流とも言える存在であり、『baton』は、企業が共創だけではなく協調によって課題を解決し、新しい価値を生み出す産業の形だ。この協調の輪を広げ、効率的で持続可能な物流の実現を通じて社会全体の発展に貢献していきたい」と語った。
 続いてのトークセッションでは、髙橋社長、福山通運の熊野弘幸社長、トナミ運輸㈱の髙田和夫社長、名鉄NX運輸㈱の吉川拓雄社長、東京海上ホールディングス専務執行役員の生田目雅史氏が登壇し、㈱ローランド・ベルガーでパートナーの小野塚征志氏による進行の下、物流業界の課題と今後への期待をテーマに意見を交わした。
 同コンソーシアムが目指す方向性について問われた生田目氏は、「物流現場のノウハウやデータと、われわれが培ったリスクマネジメントの知見を掛け合わせ、お客さまや社会に貢献することが『baton』の価値の源泉になると考える。企業の垣根を超えて、お客さま起点の公平・中立な議論を重ねることで、このコンソーシアムの枠組みをより強固なものにしていきたい」と述べた。 第2部では、原田社長が企業横断型中継輸送の実証運行の詳細について説明。この他、東京大学大学院工学系研究科の西成活裕教授によるアドバイザー講演や、国土交通省物流・自動車局物流政策課長の髙田龍氏による来賓講演が行われた。
 「物流コンソーシアム baton」は、物流量の増加に対する労働力不足から生じる物流の需給ギャップや、長時間・長距離輸送といった労働環境・安全管理上の問題など、業界共通課題の解決に向け企業が知恵と力を結集し、日本の物流の持続可能性を高めることを目的に、東京海上ホールディングス、東京海上スマートモビリティ、東京海上日動、セイノーホールディングス㈱、第一貨物㈱、トナミ運輸㈱、トランコム㈱、新潟運輸㈱、ハコベル㈱、福山通運㈱、名鉄運輸㈱の11法人から発足した。
 26年2月に開始する実証運行の検証を経て、対象路線の拡大を検討するとともに、中継輸送用のデータベースや複数の輸送便を組み合わせるアルゴリズム、各事業者が使用できるアプリケーションの開発を図り社会実装を目指す。また、中継輸送に続きドライバーの労務環境や健康状態の改善に取り組み、効率的かつ持続可能な物流体制を構築していくとしている。

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 小田島会長はまず今年のテーマについて触れ、現在の厳しい社会環境や業界課題を理解し、保険代理店としてどんな時代でも揺らぐことなく、柔軟な姿勢で変化に対応し、着実な努力を重ねて前進していくという若い世代の代理店の強い意志を言葉にしたものだと説明した。
 次に損保業界の現状について、改正保険業法の施行を来年に控え、さらなる進化の時を迎えており、業界で発生した不祥事を背景に、行政処分の対象となった保険会社の改善に向けた取り組みに加え、保険代理店も、変化する規制環境への対応を進めていると述べた。
 また、保険代理店は、金融商品販売事業者としての高度な専門性と幅広い知識をさらに充実させ、顧客の真のニーズと最善の利益を追求した業務運営の実現が求められているとし、「社会の『大切なインフラ』として、われわれの存在意義が一層問われている」と強調した。
 日本代協については、高い品質で顧客を守り続ける専門家集団を目指して、地域と密接に結び付きながら活動を展開し、社会貢献にまい進していると説明。創立以来80年間受け継がれてきた志、倫理綱領や募集規範の精神をあらためて共有し、保険会社と顧客をつなぐ重要な接点として、信用と信頼の基盤をさらに盤石にしていきたいと述べた。
 次に、「日本代協特別賞」を受賞した代協とその取り組みを報告。3年間で1万2000人

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