SOMPOHD 25年度第2四半期(中間期)決算 修正利益2474億円で過去最高 通期も4400億円で過去最高益予想
SOMPOホールディングスが11月19日に発表した2025年度第2四半期決算(IFRS基準)によると、出再保険料控除前の既経過保険料に相当する「保険収益」は損保ジャパンと海外連結子会社での増収により前年同期比635億円(2.5%)増の2兆6444億円、連結純利益は国内・海外ともに自然災害が前年に比べて減少したことや金融損益の増益などにより同1778億円(97.4%)増の3604億円で過去最高益となった。修正連結利益も同781億円増益の2474億円で過去最高益となり、対期初予想進捗率は68%となった。
SOMPOHDでは25年度からIFRS基準による決算に移行するとともに、ビジネス領域を「SOMPO P&C(損害保険事業)」(以下、P&C)と「SOMPOウェルビーイング」に集約して管理するようになった。
P&C業績では、国内損保事業(損保ジャパン)は、火災保険はレートアップとアンダーライティング強化によりベース収支は大幅に改善、レートアップ効果の浸透等による収支改善は今後も継続見通しで利益寄与の拡大を見込む。自動車保険は25年度の事故率は+0.6%で、修理費単価上昇率は+7.0%を想定。レートアップ幅の引上げ(26年1月)等により今後も収支改善を図る。海外保険事業(SIH、連結ベース)では、保険収益は全セグメントでの成長が増収をけん引、規律を重視した引受と自然災害影響の良化等によりコンバインド・レシオは改善している。
P&Cで国内損保事業のうち損保ジャパン単体の業績では、保険収益(除く自賠責・家計地震)は、自動車・火災保険の商品改定影響や新種保険の拡販を主因として、前年同期比462億円増収の1兆0864億円。中間期の実績を踏まえ25年度通期の保険収益は2兆1729億円を見込む。「除く自賠責・家計地震」の損害率は自然災害発生損の減少や火災保険のベース収支改善を主因として中間期は対前年6.6ポイント改善し57.9%、同事業費率はシステムコストの減少や商品改定に伴う手数料率の減少を主因として対前年0.4ポイント改善し32.3%だった。同コンバインド・レシオは前年同期比7.0ポイント低下し90.2%となった。
投資損益(修正利益ベース、税前)は、PEインフラ等のファンド等実現損益の増加が寄与し、前年同期比82億円増の570億円。25年度通期の投資損益(予想)は、ファンド等実現損益や好調な企業業績に基づく配当増が寄与し、対期初予想+134億円の1127億円を見込む。25年度中間期の政策株式削減額はおおむね前年並みの1749億円で、25年度通期では足元の状況を踏まえ2500億円を見込む。
P&Cのうち海外保険事業(SIH)については、保険収益は全セグメントでの継続的な成長を主因として前年同期比7%増の80億4600万ドル。保険サービス損益は規律あるアンダーライティングと堅調な保険収益の成長により同75%増の10億3800万ドルとなった。資産運用利益は運用資産額増加と再投資利回りにより堅調に推移し同8900万ドル増の7億6800万ドルで、預金利息収入も活用しつつ運用資産額は成長、安全性に配慮しつつ積極的な運用で利回りを確保しているとした。運用資産ポートフォリオは債券簿価利回りは引き続き安定的に推移し、運用資産残高は同45億ドル増加し258億ドル。修正利益(SIH)は同1億6800万ドル増益の7億6000万ドルで、海外保険事業全体では同1億6800万ドル増益の7億7100万ドルだった。
次にSOMPOウェルビーイングのうち国内生保事業については、SOMPOひまわり生命の保険料等収入は前年同期比5.5%増の2244億円。新契約年換算保険料は医療・がん保険の減少を主因に同17億円減の140億円。保有契約年換算保険料(個人保険と個人年金保険の合計)は前年度末比32億円増の3959億円だった。12月に死亡保障型の変額保険を新商品として投入し、顧客ニーズを幅広く捉えることで販売量の引き上げを図る。
中間純利益は前年同期比39.8%減の64億円。修正利益は保険金等の支払が想定を下回ったことなどを主因に同17億円増益の300億円で進捗率は49%。計画通りの進捗で、通期予想は変更なしとしている。なお、基礎利益は同89.5%増の257億円だった。
介護事業は、売上高は利用者増等により前年同期比25億円増収の918億円。入居率は94.3%で、継続的な利用者獲得施策により年度末に94.4%までの上昇を見込む。修正利益は処遇改善や物価高騰によるコスト増加を売上等でオフセットし同18億円増の51億円で、通期の業績予想は年初計画通り修正利益100億円を見込む。
グループ通期の業績予想では、保険収益は対期初予想+500億円の5兆2500億円、連結純利益は対期初予想+2050億円、前期比122.1%増の5400億円に上方修正した。修正連結利益は対期初予想+770億円上方修正し4400億円(対前年+1165億円)の大幅増益・過去最高益を見込む。国内損保は対期初予想+590億円、海外保険は資産運用利益増加等により同+200億円で、各事業でも過去最高益を見込む。株主還元では、本中間期の還元額は自己株式取得770億円を含む1455億円で、通期の基礎還元+政策株式売却益還元については期初予想から260億円積み増し2500億円程度とした。通期の一株あたりの配当金は150円で期初予想から変更はない。
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