日本生命グループ 25年度第2四半期(上半期)決算 基礎利益27%増の大幅増益 保険・サービス収益は15%増
日本生命が11月20日に発表した2025年度第2四半期(上半期)決算によると、グループの連結業績は増収・増益で、連結損益計算書における保険料等収入とその他経常収益の合計を示す「保険・サービス収益」は、ニッセイ・ウェルス生命とニチイホールディングスの増加を主因に前年同期比15.0%増の4兆8555億円、基礎利益は日本生命の増加とコアブリッジの損益取り込み開始を主因に同27.4%増の6200億円で大幅増益となった。25年度通期業績予想では、保険・サービス収益は日本生命と大樹生命の減少を主因に減収、基礎利益はコアブリッジの損益取り込みを主因に増益を見込む。
日本生命グループの25年度上半期の連結経常収益は、前年同期比20.1%増の6兆6823億円だった。連結保険料等収入は同13.4%増の4兆5296億円。グループの資産運用収益は同35.9%増の1兆8268億円だった。経常費用は同24.4%増の6兆5026億円で、このうち保険金等支払金は同9.9%増の3兆7724億円、資産運用費用は同37.4%増の9688億円、事業費は同20.1%増の5826億円だった。これらの結果、経常利益は同47.1%減の1796億円、これに特別損益を加減した中間純剰余は同12.4%増の2259億円となった。
グループの総資産は、前年度末比3.7%増の99兆9238億円となった。連結ソルベンシー・マージン比率は前年度末から23.8ポイント低下し864.7%。実質純資産は内外株式の含み益増加等を主因に前年度末から5.8%増加し16兆7837億円となった。25年9月末時点の経済価値ベースのソルベンシー比率は、新契約獲得や劣後債調達等により前年度末比6ポイント上昇し228%。新契約価値は、将来に向けた投資に伴う事業費の増加等により前年同期比で14.1%減少し1779億円。
国内計の保険料等収入は、金融機関窓販チャネルの増加を主因に前年同期比14.0%増の4兆3950億円。うち個人保険・個人年金保険は同7.9%増の2兆8761億円、団体保険は同0.3%減の1503億円、団体年金保険は同1.6%増の5129億円だった。
国内計の個人保険・個人年金保険の新契約年換算保険料は前年同期比21.3%増の3015億円となった。チャネル別では、営業職員チャネルは同8.8%増の1042億円、代理店チャネルは同7.3%増の385億円、金融機関窓販チャネルは同36.1%増の1573億円となった。同保有契約年換算保険料は前年度末比1.6%増の4兆8971億円。
国内計の団体保険の保有契約(保障額等)は、前年度末比0.5%増の107兆7375億円。うち日本生命は同0.5%増の96兆8458億円、大樹生命は同0.2%増の10兆8917億円だった。また、国内計の団体年金保険(受託資産等)は同2.5%増の20兆5952億円。このうち日本生命は同0.0%減の13兆7802億円、大樹生命は同0.3%減の5712億円だった。
グループ各社単体の業績では、日本生命の保険料等収入は金融機関窓販チャネルと営業職員チャネルの減少を主因に前年同期比1.4%減の2兆4134億円。新契約年換算保険料は同3.8%増の1191億円。保有契約年換算保険料は前年度末比0.3%減の3兆6905億円だった。資産運用収益は、有価証券売却益の増加を主因に前年同期比2354億円増加し1兆3827億円。内訳は利息及び配当金等収入が同641億円増加の9495億円、有価証券売却益が同1396億円増加の4013億円など。資産運用費用は、有価証券売却損の増加を主因に同3628億円増加し8188億円だった。有価証券売却損は同4267億円増加の6113億円となっている。以上の結果、資産運用収支は同1274億円減少し5639億円だった。基礎利益は利息及び配当金等収入の増加と過年度の追加責任準備金の積み増しによる予定利息の改善を主因に同18.0%増の5104億円となった。
大樹生命の保険料等収入は外貨建一時払商品の販売減および再保険収入の減少を主因に前年同期比24.5%減の3122億円。新契約年換算保険料は同13.6%減の159億円。保有契約年換算保険料は前年度末比0.4%増の5111億円。基礎利益は固定費の増加等により保険関係損益が減少した一方、ヘッジコストの減少等による利差損の改善により、前年同期比108.7%増の164億円。
ニッセイ・ウェルス生命の保険料等収入は外貨建一時払商品の販売増と再保険収入の増加を主因に前年同期比67.8%増の1兆6195億円。新契約年換算保険料は同41.1%増の1536億円。保有契約年換算保険料は前年度末比13.2%増の6380億円。基礎利益は販売増加に伴う標準責任準備金負担の増加による保険関係損益の減少を主因に前年同期比27.7%減の228億円。
はなさく生命の保険料等収入は再保険収入の増加と変額保険の販売開始を主因に前年同期比63.7%増の496億円。新契約年換算保険料は同100.9%増の127億円。保有契約年換算保険料は前年度末比23.0%増の573億円。基礎利益は事業拡大による事業費等の支出増の一方、再保険の活用に伴う新契約費の負担減少等による保険関係損益の改善を主因に、前年同期比26.1%増の▲41億円。
Nippon Life Insurance Australia and New Zealand Limited(旧MLC)の収入保険料は、個人保険における保険料改定等を主因に前年同期比1.7%増の9億0900万豪ドル。基礎利益は個人保険領域における保険金支払いが想定を下回ったことを主因に同255.1%増益の9300万豪ドルだった。
ニチイホールディングスの売上高は、病院医療関連事業の値上げを主因に前年同期比2.2%増の1549億円を計上。税引前純利益は、各事業領域における人件費の増加を主因に同39.5%減の41億円と減益だった。
25年度通期の業績見通しは、グループ全体で「減収・増益」を見込む。グループ計の保険料等収入は約7兆4300億円を見込む。各社別には日本生命が「減収」、大樹生命が「減収」、ニッセイ・ウェルス生命が「増収」、はなさく生命が「増収」、 Nippon Life Insurance Australia and New Zealand Limited が「増収」。基礎利益は、コアブリッジの損益取り込みを主因に増益の約1兆1300億円を見込む。各社別には日本生命が「増益」、大樹生命が「増益」、ニッセイ・ウェルス生命が「減益」、はなさく生命が「減益」、 Nippon Life Insurance Australia and New Zealand Limited が「増益」。ニチイホールディングスは「減益」を見込む。
次に守島氏が「人的資本経営時代の人材マネジメント~マインドへの投資がカギ~」と題し基調講演を行った。同氏はまず「人的資本経営」の定義について、企業が人材を単なる労働力としてではなく、価値創造の源泉として捉え、戦略的に活用する経営手法だとし、本質的には「人を輝かせて企業戦略を実現する経営」を指すことだと説明した。また企業は25年以降、技術や資源だけでは競争力を維持できなくなるため、イノベーションを生み出す「人」の力の重要性を強調した。さらにAIの進化にも触れ、AIは過去のデータを基に推論するもののため、真に新しい価値を生み出すのは人間だけだと強調した。
こうした背景から、企業は人材の活用方法を真剣に考える必要があるとした上で、「人的資本経営の時代とは、人的価値の向上を通じて企業価値を高める時代であり、同時にその取り組みが社会や株主からも注視される時代だ」と述べた。
人的資本経営の中で特に重要なことについては、人材が高いエンゲージメントを持ち、企業戦略に沿って価値を生み出しているかという点だとし、優秀な人材が揃っていても、それを生かしていなければ意味がなく、企業戦略と人材マネジメントの間に整合性が取れて初めて、人的資本が企業価値に結び付くと述べた。
また、経営戦略の変化に伴い、必要とされる人材も変化していると強調。例えば、製造業から社会
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