生保協会スチュワードシップ活動 協働エンゲージメント実施へ 3テーマで投資先139社と対話 「総合的な開示」は一定の成果得て収束
生命保険協会は12月4日、東京都千代田区の同協会会議室で、「スチュワードシップ活動ワーキング・グループの参加会社による協働エンゲージメント実施」についての記者説明会を開催した。同協会では2017年から、同ワーキング・グループを通じて、複数の会員会社が機関投資家として連携し持続的な企業価値向上を目指して投資先企業と対話を行う協働エンゲージメントを実施している。9年目となる今年度は、昨年度に続き①資本コストや株価を意識した経営に向けた対応の開示②株主還元の充実③気候変動の情報開示充実―の3テーマで上場企業延べ139社を対象に実施する。
協働エンゲージメントは、複数の投資家が連携して取り組むことで、企業に対する影響力を高められるほか、投資家間で専門知識やスキルを共有できる、対話に伴う業務負荷を分散できるなどのメリットがある。
今年度は、昨年度に設定した3テーマを継続して実施する。一方、昨年度までテーマに掲げていた「総合的な開示」については、これまでの取り組みにより一定の成果が得られたことに加え、今後、有価証券報告書においてSSBJ基準に準拠したサステナビリティ関連情報の開示が段階的に義務化されることを踏まえ、収束することとした。
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損保協会は11月19日、東京都千代田区の損保会館で「企業向けリスクマネジメントセミナー」を開催した。経済産業省経済産業政策局産業資金課の江原望氏、慶應義塾大学商学部の柳瀬典由教授による講演に加え、「企業価値向上を実現するリスクマネジメントとは」をテーマにしたパネルディスカッションを実施。パネルには柳瀬氏の他、日本保険仲立人協会の平賀暁理事長、キリンホールディングス㈱財務戦略部の菅雄一郎氏が登壇した。ハイブリッド形式で行われた当日は、業種を問わず広く参加があり、対面121人、オンライン520人の合計641人が聴講するなど、本テーマへの関心の高さが示された。
セミナーでは、はじめに江原氏が「VUCA時代の不確実性をどう乗り越えるか」をテーマに講演した。同氏はまず、足元の日本経済が「賃上げと投資がけん引する成長型経済への転換」にある一方で、半導体や自動車部品のサプライチェーン混乱、気候変動による災害の甚大化、レアアース輸出規制など、企業を取り巻くリスクが多様化・複雑化していると指摘し、その背景にある不確実性を、政策不確実性指数や軍事用語由来のVUCAの概念を用いて説明した。
エネルギー市場の乱高下や為替変動を「V(変動性)」、生成AIへの対応を「U(不確実性)」、多様化したサプライチェーンを「C(複雑性)」、解釈が分かれるESG投資やサス
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