T&D保険グループ 25年度第2四半期(中間)決算 修正利益701億円で進捗率48% 国内生保の基礎利益は27%増
T&Dホールディングスが11月14日に発表した2025年度第2四半期決算によると、同グループの連結経常収益は前年同期比3.6%増の1兆7186億円、経常利益は同5.8%増の1098億円、親会社株主に帰属する中間純利益は同3.0%増の673億円となった。グループ修正利益は国内生命保険会社の順ざやが増加した一方、フォーティテュード社の運用収益の減少等により同13.4%減の701億円で、前年同期から減少したものの、通期業績予想の1460億円に対し48.1%の進捗となった。株主還元では1株あたり62円の中間配当を実施。年間配当は11期連続の増配となる1株あたり124円を予定する。
国内生命保険事業(太陽生命、大同生命、T&Dフィナンシャル生命)で、新契約年換算保険料は、対面・非対面を融合させた営業活動と顧客の幅広い保障ニーズに応えたトータルな保障の提案、一時払商品の販売増加等により、3社合算で前年同期比8.6%増の1143億円となった。保有契約年換算保険料は3社合算で前年度末比2.7%増の1兆7496億円となった。
保険料等収入は、3社合算で前年同期比0.9%減の1兆3463億円。うち保険料は3社合算で同0.7%増の1兆1438億円で、保険料等収入は再保険取引の影響でT&Dフィナンシャル生命、太陽生命で増減があるが、これを除いた保険料ではおおむね前年同期並みだった。国内生命保険事業の基礎利益は、好調な契約業績と利息配当金等収入の増加および為替ヘッジコストの減少等により3社合算で同27.4%増の1034億円となった。
また、クローズドブック事業(T&Dユナイテッドキャピタル連結)の修正利益は、フォーティテュード社の運用収益の減少等により▲6億円(前年同期実績は153億円)。中間純利益は▲9億円(同▲2億円)だった。
損害保険(ペット保険)事業(ペット&ファミリー損保)は、経常収益は収入保険料の増加により前年同期比10.4%増の62億円。一方、支払保険金の増加等により経常利益は同35.6%減の2億円、中間純利益は同34.9%減の1億円となった。
太陽生命の経常収益は前年同期比28.1%増の6796億円で、このうち保険料等収入は同28.6%増の5493億円だった。新契約年換算保険料は同6.7%増の258億円、うち第三分野は同3.9%増の105億円。年換算保険料のうち、主に貯蓄系商品を除いた保障性新契約年換算保険料は、対面・非対面を融合させたハイブリッド型営業の推進によって営業職員チャネルの新契約業績が堅調に推移したことに加え、代理店チャネルで販売量が増加したことにより同2.5%増の112億円。保障性保有契約年換算保険料は前記の結果、前年度末比1.2%増加し1697億円だった。基礎利益は前年同期比43.1%増の391億円。
大同生命の経常収益は前年同期比1.2%増の5945億円で、このうち保険料等収入は同2.4%増の4231億円だった。新契約年換算保険料は同6.2%増の411億円、うち第三分野は同18.8%増の125億円だった。新契約高(注)は、死亡保障に就業不能・介護保障等を加えたトータルな保障の提案により顧客の幅広い保障ニーズに応えたことで好調に推移し、同4.8%増の2兆7674億円となった。「就業不能・介護保障商品」の新契約高は、6月発売の新商品「重度がん保障Jタイプ」「Jワイド特約Plus」の販売が好調なこともあり、前年同期から増加した。保有契約高(注)は、新契約高の好調な推移により、前年度末比0.5%増の47兆1860億円と前年度末から純増となった。基礎利益は前年同期比17.1%増の622億円。
T&Dフィナンシャル生命の経常収益は前年同期比19.0%減の4255億円で、うち保険料等収入は同27.8%減の3739億円だった。新契約年換算保険料は、一時払個人年金保険「ファイブテン・ワールド4(円貨プラン)」の販売が好調に推移したことにより、同11.9%増の472億円。保有契約年換算保険料は、目標値到達契約の減少に伴い解約失効率が低下したことにより、前年度末から11.8%増の3625億円だった。基礎利益は前年同期比191.9%増の20億円。
グループのMCEVは、新契約価値の積上げ、内外株価・国内金利の上昇と米国会計基準の変更(LDTI)により前年度末比8.2%増の4兆2695億円。今期に販売した保険契約(転換契約を含む)から将来生じる利益を現在価値に換算した新契約価値は、新契約高増加や国内金利上昇により3社合算で前年同期比11.7%増の979億円だった。
グループの健全性に関する指標では、グループ連結のソルベンシー・マージン比率は、前年度末比26.7ポイント低下し934.0%。同グループの内部モデルに基づき算出したグループ連結のESRは、同15ポイント低下して228%だった。ヴィリディウム社への出資等により両値とも前年度末から低下したが、いずれも十分な健全性を維持している。
連結の経常収益、経常利益、当期純利益、グループ修正利益の通期予想は5月15日公表(本紙6月4日付)したものから修正はない。
(注)「新契約高」「保有契約高」には、「Jタイプ」の重大疾病保険金額、「Tタイプ」の就業障がい保険金額、「介護リリーフα」等の介護保険金額および「一時金型Mタイプ」の入院一時金額を基準として計上した金額を含む。
インシュアテックで発展する商品などを紹介する「デジタルで進化する」のシリーズとして、前回は大手生保などが取り扱う「積立保険」について紹介しました。2回目となる今回は、熱中症保険とインフルエンザ保険について紹介します。
2022年、決済アプリPayPayから加入できる熱中症保険(名称:熱中症お見舞い金)が登場しました。商品提供は住友生命傘下のアイアル少額短期保険で、エンベデッド・インシュアランス(組込型保険)の形態で提供されているのが特徴です。
組込型保険とは、保険会社以外の企業が提供する商品やサービスに保険を組み込み、購入と同時に手続きを完結させる販売手法の商品のことです。消費者は手間なく、必要な時に保険に加入でき、事業者は顧客体験の向上や新たな収益源を確保できるメリットがあります。
24年の猛暑に引き続き今年の猛暑を受け、熱中症保険は複数商品が発売されています。特にアプリから加入するタイプは、決済アプリで既に本人確認(eKYC)がされているため、非常に短時間で申込から決済まで完了します。これがテクノロジーの発展ということなのか…と感銘するほどに短時間です(1分かからず完了)。
PayPayによると、「熱中症お見舞金」の24年の加入件数は、22年と23年の累計加入件数を上回る13.2万件とのことです。
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