プルデンシャル生命 金銭不祥事で記者会見 社員の不適切行為により31億円受取 間原社長ら経営陣が謝罪 「お客さま補償委」設置で被害者対応へ
プルデンシャル生命は1月23日、都内で記者会見を行い、間原寛社長ら同社グループ経営陣が同16日に発表した金銭不祥事について謝罪した。社内調査の結果、不祥事の原因、再発防止策などを説明し、今回判明した複数の営業社員、元営業社員の不適切行為による顧客からの金銭受取額は約31億円に上ると報告した。また今後、「お客さま補償委員会」を設置して被害者に対して迅速な補償を行っていく方針を明かした。
会見には、すでに引責辞任を表明している間原社長のほか、プルデンシャル・ホールディングス・オブ・ジャパン社長のブラッドフォード・オー・ハーン氏、プルデンシャル生命取締役で2月1日付で次期社長に就任予定の得丸博充氏、同社取締役執行役員専務の篠原慎太郎氏、同社コンプライアンス統括(CCO付)の永瀬亮氏が登壇し、そろって謝罪した。
間原社長はまず、今回の不祥事について同社の経営管理態勢に課題があったとし、被害者保護の観点を最優先に据えて被害者への補償を行うことから、第三者の専門家で構成される「お客さま補償委員会」を新たに設置し、同社の営業社員が在籍中に行った金銭不祥事や、退職後に行われた不祥事について個別の事案ごとに精査し、同委員会で認定されたものについて全額を補償、また、過去に補償対象外と判断された事案についても再度精査し、現在の状況や新たな認識を踏まえて、当時の判断の妥当性を迅速に検証していくとした。
次に、社内で実施した「お客さま確認」の結果について報告した。2023年頃に複数の金銭に関わる不適切行為が発覚したことを受け、24年8月から25年2月にかけて契約者および解約済みの顧客に対して手紙約209万通、電話約13万件、Eメール約70万通によって不審な金銭の取り扱い等がないかを確認し、また、新聞広告を掲載して広く社会に対して注意喚起したところ、1991年から25年にかけて、実人数で107人の社員、元社員が不適切な投資勧誘を行うなどして合計503人の顧客から約31億円を受領。そのうち、2017年から25年にかけて3人の元社員が同社の制度または保険業務に関連する不適切な金銭の取り扱いとして、8人の顧客から合計約6000万円を受け取っていた。
また、同社の制度や保険業務に関連しない投資商品の勧誘による金銭の受け取りや、顧客からの個人的な金銭の借り受け行為、その他金銭に関する社内規定に違反する行為を行っていた社員、元社員については、1991年以降で106人に上り(そのうち94人が退職済み)、受け取った金額は、在職期間中が約16億3000万円、退職後が14億5000万円の合計30億8000万円と報告した。対象の顧客は498人で、22億9000万円が返金されていない。この他、顧客から金銭を受け取っていないものの、社内規定で認められていない投資商品やその取扱業者等を紹介した社員、元社員が69人おり(60人が退職済み)、合計240人の顧客が合計約13億1000万円を支払っており、取扱業者などから返金等がなされたのは合計約2億5000万円にとどまっていると述べた。
間原社長は、一連の不祥事を招いた原因について3点挙げて説明した。一つは、同社の営業に関する諸制度についてで、営業管理職による適切な管理や本社による十分なけん制がなされない中で、営業社員と顧客の間に密な関係性が築かれ、不適切な事象の検知が十分でなかった。また、業績に過度に連動する報酬制度は、金銭的利益を重視する志向を持つ人材を惹き付け、営業社員の収入の不安定さが不適切行為につながるリスクを増大させていたと述べた。
次に、経営管理態勢上の課題として、個々の不適切行為の発覚に際し、その都度調査および対応は行っていたものの、取締役会や執行委員会でビジネスモデルそのものに内在するリスク等に踏み込んだ十分な議論と検証を行っておらず、また、創業以来のビジネスモデルを所与のものと捉える経営姿勢があったと説明。さらに、3線管理態勢の整備が不十分で1線と2線の役割・責任が不明確なほか、1線のコンプライアンス・リスクのオーナーシップの意識や機能整備が不足していたとした。
三つ目として、組織風土の課題を挙げ、同社が創業以来のビジネスモデルにより、業績面や契約継続率、顧客満足度等の指標において十分な評価を得ていたことなどから、「営業社員への過度な尊重」や「ビジネスモデルの絶対視」「好業績者が大いに称賛される」といった組織風土が醸成され、営業現場やビジネスモデルに構造的な問題が生じているかもしれないといった検証の目を向けることができず、抜本的な対策を取ることもしていなかったとした。
続いて、得丸氏が再発防止策を紹介した。得丸氏は、被害者への対応を最優先としつつ、これまでの同社の諸制度や企業風土に踏み込んだ抜本的な改革を行っていくとし、とりわけ「営業社員の報酬制度」「顧客と営業社員の関係の密室化」といった課題に対する対応を説明。営業社員の報酬制度については、短期間の業績で大きく変動する報酬や営業社員の収入の不安定さが不適切行為のリスクにつながるとし、健全な営業活動を適切に動機付けられる制度の基本設計を今年前半には決定したいとした。
また、契約者を一人の営業社員が一生涯担当する「マイクライアント」という考え方が、同社の競争力の源泉だった一方、営業管理職や本社による管理・けん制不足によって不適切事案を招いたことから、ルールや社内規定の改定、システム改修などにより営業活動の適切な管理による予兆把握・けん制機能の強化を図る考えを示した。得丸氏は、「お客さま、社会の皆さまからの信頼は、行動と結果でしか取り戻すことはできないと考えている。この再発防止策は私の責任で実行していくので、どうか当社の変革を厳しい目でご確認いただきたい」と述べた。
この後、質疑応答が行われ、各メディアの記者から同社の企業姿勢が厳しく追及された。記者会見は2時間を超えて終了した。
近年、「サステナビリティ経営」は、企業の大小にかかわらず喫緊の課題となっている。大同生命は、企業理念である 「想う心と つながる力で中小企業とともに 未来を創る」のもと、「中小企業で働く方とその家族のウェルビーイングが実現する社会」に貢献する企業を目指し、自ら社会的な責任を果たしつつ、中小企業とともに社会課題の解決に取り組んでいくことを明確化した「サステナビリティ推進計画」を、2023年3月に策定した。同計画では、同社の取り組みを体系化し、【中小企業とともに取り組む領域】と【当社が自ら社会的責任を果たす領域】という二つの階層と、六つの取組領域を設定している。
中小企業とともに取り組む領域
【中小企業とともに取り組む領域】では、「中小企業で働く方の人生の豊かさのサポート」「中小企業全体へのサステナビリティ経営の推進」を柱に、「中小企業をお守りするための保障の提供や中小企業の経営支援・健康支援に資する各種サービスの提供」を通じ、中小企業のサステナビリティ経営の実践を後押しし、そこで働く人々の人生の豊かさに貢献している。
【当社が自ら責任を果たす領域】では、「人財」「人権」「気候変動」「ESG投資」に重点を置き、ダイバーシティ&インクルージョン、健康経営の推進、人権尊重の教育・啓発と人権デューデリジェンス、省エネや再生可能エネルギーの導入
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