金融庁 「Japan Fintech Week 2026」開催へ 「日本フィンテックの魅力」世界に発信 「AIディスカッションペーパー」更新も検討
金融庁は2月24日から3月6日まで、「Japan Fintech Week 2026」を開催する。日本のフィンテックの魅力を世界に発信し、フィンテックのさらなる発展に向けたビジネス機会をつくることを目的とする一般社団法人Fintech協会との共催イベントで、昨年は70以上の国・地域から延べ2万人以上が参加した。さまざまな団体が開催する関連イベントとの連携によって国内外のフィンテック・インシュアテック事業関係者が一堂に会して、最先端のトピックについて議論を深めていく。また、早ければイベント期間中にも、昨年公表した「AIディスカッションペーパー」の更新を検討している。
今年で3回目となる「Japan Fintech Week」の中核イベントは、3月3日~6日に東京都千代田区の丸ビルホールなどで開催される「FIN/SUM 2026」(主催:金融庁、日本経済新聞社)。今回で10回目となる同イベントのテーマは、“FIN/SUM NEXT AI×ブロックチェーンが創る 新金融エコシステム”で、次の10年に向けた金融の進化のあり方をさまざまなセッションを通じて議論する。スピーカーとして、金融庁の伊藤豊長官をはじめとする同庁幹部職員や国内外の金融機関、事業会社、スタートアップの経営層、研究者などが登壇する。
また、2月24日~3月6日のコアウィークに合わせて、フィンテック関連団体が都内各地および各地方都市でさまざまな関連行事を開催。シンポジウムやラウンドテーブル、スタートアップピッチ、ブース出展などでイベントを盛り上げる。
インシュアテック分野では2月25日、26日の2日間、世界最大級の保険プラットフォーム「ITC(InsureTech Connect)」による「ITC Japan in collaboration with Plug and Play」が、東京都港区の虎ノ門ヒルズフォーラムで開催される。
25日に行われるのは、国内インシュアテック企業㈱Hokanグループとの共催イベント「ITC Agents Japan 2026」で、保険代理店に焦点を当て、代理店経営者のほか、金融庁や保険会社、スタートアップ関係者などがデジタル化や人材育成など業界が直面する課題解決に向けて議論を深める。
26日に行われる「ITC Japan 2026」は、2023年の初開催から4回目となる。アクセラレーター兼ベンチャーキャピタルであるPlug and Play Japanとの共催で、保険業界関係者による講演やパネルディスカッションなどを通じて日本のインシュアテックの最新動向に関する情報発信の他、ワークショップや1on1ミーティング、ネットワーキングなどが行われる。
また、金融庁は早ければ「Japan Fintech Week」に合わせて「AIディスカッションペーパー」更新版の公表も検討している。同文書は、金融機関によるAIの健全な活用に向けた取組みを後押しする目的で昨年3月の同イベント期間中に公表。金融機関等に実施したアンケート調査や一部の事業者へのヒアリングの結果、国際的な議論の進展などを踏まえて、金融機関における従来型AIおよび生成AIのユースケースや課題認識、ガバナンス構築に向けた事例などを整理し、金融庁と金融機関の今後の対話に向けた初期的な論点や金融庁としての今後の対応方針を提示した。
実際、同文書の内容に沿う形で昨年6月から12月に掛けて「AI官民フォーラム」を開催。金融機関やAIモデル開発者、ソリューション提供者、法曹、関係団体など官民の多様なステークホルダーが参加し、金融機関によるAI活用の実務およびガバナンス上の主要な課題について議論を行い、取組み事例の共有や法令上の課題の明確化等を図った。現在、同フォーラムでの議論を通じて得られた知見を盛り込む形で同文書の更新作業が進められている。
金融庁では、「AIディスカッションペーパーは、AIにはリスクを大きく上回る便益をもたらす可能性があり、技術革新に取り残されて中長期的に良質な金融サービスの提供が困難になる『チャレンジしないリスク』に陥ることなく、AIの動向にしっかりと目を向けて、業務の効率化や顧客へのサービス提供の高度化などに積極的に活用してもらいたいというのが基本スタンスになっている。現在は金融機関のAIへの理解も深まってきており、具体的な業務への落とし込みという重要なフェーズに差し掛かっていると思われる。その際、議論を通じて各社の課題や取り組み事例を共有し、それを持ち帰って目線感を作り、業界全体としてのプラクティスを高めていくためのものとして、AIディスカッションペーパーやAI官民フォーラムといった場が機能してくれればと考えている」として、金融・保険業界による取組みの一層の進展に期待を寄せている。
MS&ADインターリスク総研はこのほど、東京大学、芝浦工業大学と気候変動による将来の洪水リスク予測に関する不確実性を大幅に低減する新しい解析手法を開発した。グローバル洪水モデルと気候予測データによる大規模シミュレーションで気候予測データと観測データとの誤差を補正する手法を開発することで、将来の洪水リスクの変化傾向と整合した高い解像度を備えた将来洪水ハザードマップを構築した。同研究は、自治体や企業の防災・減災計画、国際的な気候変動適応政策の科学的根拠に、さらには金融分野での気候関連リスク評価に活用されることが期待される。
――同研究はどのような課題意識から始まったのか。
植原 保険会社グループとして、自然災害、とりわけ防災・減災への対応は従来から重要なテーマだった。近年は気候変動が前提となり、特に「降水量の増加」「短時間強雨の増加」によって洪水リスクが高まることは、気候変動予測の中でも確度が高いとされている。さらに、金融庁によるコーポレートガバナンス・コードの改訂等も背景に、企業は気候変動による影響やリスクを定量的に開示することが求められるようになった。こうした背景から、洪水リスクが将来どのように変化するのかを予測する研究に取り組んでいる。
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