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 ビッグモーター(以下、BM社)に関わる損保各社のスタンスは、自社の売り上げが最優先で、多少のことは目をつぶるという昭和の感覚ではないだろうか。BM社は保険会社に自賠責保険や自動車保険という餌をぶら下げて、自社への事故車等の誘導を促したわけだが、その修理対応は入庫されてきた車両を工場の作業員が自ら傷つけるという想像を大きく超えたひどいものであった。
 車を傷つける等の保険金拡大(=売上&収益拡大)目当ての作業は、組織的に、かつ全国で行われていたようであり、保険会社の損害査定に関わる人間であれば、本来許しがたい最大の犯罪行為として追及すべきところであるのが普通であるが、おそらくは経営・営業部門のトップに近いところで、「グレーなので触らずにおこう」という保身や成績のみを優先した判断と因果を含められた盲目的出向等が何年にもわたり続けられてきたのだろう。
 業務監査部門がこれに手を入れてこなかったことの責任も大きいだろう。不自然に高額な修理代金の数々の端緒は、全国にあったはずであり、リスクベースでの重点監査やコンプライアンス重視の基本スタンスから誰もが目を背けていたとしか思えない。
 これは単にBM社だけの問題ではなく、同様に売り上げ競争に踊らされている企業先やコンプライアンス的に問題のある取引先について、とりわけ保険会社という社会的な責任ある企業として、どれだけSDGsやコーポレートガバナンスの観点から、営業最優先のスタンスそのものを変えられるかが問われている問題だろう。(スネオ)

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