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ビジネスマンケアラー

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 高齢者介護問題に関する勉強会に参加した。席上、「子どもが親を介護する」問題が話題となっていた。働き盛りの子どもが高齢や障害で自立が困難な親を介護しなければならない状況、いわば「ビジネスマンケアラー」のことで、かつて本欄でも取り上げた小学生の家族介護「ヤングケアラー」とはまた異なる多くの課題を抱えているとのことだった。
 介護そのものも、社会保険として介護保険などの充実で相応の対処ができると思われがちだが、高齢になった親の入居施設を探すのも時間と手間がかかり、自宅での介護となればさらに大変で、その他にも預貯金等の金銭管理、さらに成年後見人の手続きなども発生し、結局は「介護離職」が多発しているのが現状のようだ。
 国からも、企業に「介護休職制度」の導入が奨励されているが、大手はともかく中小企業においては、業務への影響など負担も大きい。本人にとっても休職すれば、収入半減も避けられない。キャリア形成や復職への不安も大きい。
 参加者からは別の視点で、「社会政策を含むすべての対策において介護離職者数を減らすだけの単純なものに陥ることなく、個人としても愛する家族のために前向きに『介護離職』ができるようにするために、普段の生活に流されることなく、休職期間のタイムロスがあっても通用するキャリア形成に日頃から心掛けるべきだ」との意見も出されていた。
 「介護離職」に伴う経済的損失を雇用者、被雇用者双方に補償する保険の開発や充実はむろんだが、こうした事態に備えたキャリア形成への援助も業界として考えねばならないなとも思えた会合だった。(朗進)

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