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慣行

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 当局から保険料調整行為に関する業務改善命令を受けた大手4社は、それぞれ改善計画書を先月末提出した。お客さま第一などをあらためて整理し、行動原理を見直したうえで、あらためて社会のインフラ機能の一端を担う保険会社としての使命を果たしていくための、大きな転換点としなければならない。
 各社の改善計画は似てもいるが、表面的な記載にとどまる会社もあり、実効性のある具体的なアクションプランにどれだけ落とし込めるかが大事である。一方、気になったのは、従来、企業と保険会社の間で政策株とか戦略的投資とか言われていた株式の持ち合い廃止である。
 そういう単なる慣行は無くすに越したことはないし、世界基準では批判されてきたことでもあるが、各社の経営判断にまで口を出すのはいかがなものかとも思っている。常識を超えた本業協力の見直しと同様に、競争的な過大な政策株式については見直しを図るべきであるが、「全面的に止める」は余計なおせっかいとしか思えない。純投資株式の中に、当然一定の取引先が、それなりの規模で含まれているのがむしろ自然であろう。
 それよりも変えてほしい慣行は、出向の見直しもあるが、人材の政策的な受け入れである。親子の企業間はもとより、保険会社と代理店、さらには役所などからの顧問等の多いことに大いに問題意識を持つ。株式は市場価格以下にはならないが、親会社、役所や銀行からの天下りのような人材の受け入れは、プラスだけではなく、実はマイナスにもなるからである。
 生保も損保も銀行も、そして他の業種でも見直すべき慣行はまだまだあるのではないだろうか。(白泡)

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