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うず

医療ドラマとの違い

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 人生初の全身麻酔による手術を受けた。加入している保険のおかげで経済的不安は皆無とは言え、術前の精神的不安を抱えた入院、施術、術後回復、この間の医師、看護師、病棟事務スタッフ他すべての病院スタッフの親身の対応にはただ感謝しかない。
 手術そのものは、「ハイ、深呼吸してください。麻酔薬が入っていきます」から「○○さん、終わりましたよ」と目が覚めるまで、当然であるが一切記憶はない。そしてベッドに載せられて、点滴やその他のチューブが身体に付いたまま病室に帰る「まな板の鯉」状態は、いわゆるテレビの医療ドラマそのままだった。
 想像と大きく異なっていたのは手術前だ。ドラマではベッドに載せられて病室を出て、廊下や手術室前で家族や関係者に声を掛けられる場面がよくあるが、現実は、事前に手術着に着替えた本人は、出迎えの看護師に伴われて手術室まで歩いて行くのだ。
 手術室には前室があり、そこで名前とどこを手術すると説明されているか質問される。つまり本人確認だ。そこで履物や眼鏡を預け、手術台へ寝かされ最終準備となる。そして前述の言葉を掛けられるわけだ。淡々と進みドラマチックさは皆無だった。その点では貴重な体験だった。
 保険業界に対するイメージも同様に、日頃の顧客への営業活動に加えて、マスコミやドラマで扱われることで作られて、現実と異なることが多々あるのかもしれない。
 しかし、「皆さん、保険を正しく理解するために、事故に遭って保険金をもらってみてください」などと言うのは、「皆さんも、全身麻酔手術を経験してみてください」と言うのと同様、安易で無意味である。(朗進)

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