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 火災保険料の値上げが続いている。自動車保険料も、参考純率の改定幅ほどは値下げにならない。保険会社としての利益は毎年一定出ている。そんな中、近年目に付くのは、次世代に向けた各社の競争への投資だ。先進的なDXの活用やSDGsへの対応支援ということへの直接投資のみならず、地域や大学、あるいは海外を含めたベンチャー企業との連携もあるようで、保険会社の本社部門はもとより、営業社員も相当の時間を割いているように思える。
 気になるのは、それらのコストが各社の保険料に当然跳ね返ってくることだ。特に、地域連携としての各都道府県や市町村との提携獲得競争は、国盗り物語の様相を超えて、大手各社間での協定の複層化すら始まっているようだ。中期的な個別の保険会社の商品・サービス開発の提供戦略や単純に囲い込み戦術としてはわかるが、将来的にどうなるかがある。
 保険会社による防災や交通事故の低減に向けた事故情報のデータ化とその提供や、エネルギー節減に向けた各種データの支援は、社会的使命のみならずSDGsの観点からも必要な使命である。ここを競争領域とはしないことを業界としてできないのだろうか。
 例えば、防災情報や道路事故情報も、道を走っていて県や市をまたげば提供会社が違い、情報の見え方も提供の仕方も変わるというのでは誰もが困る。各社の安全に関わる統計データが違う数値や結果をもたらしても困る。DX等の進展に伴い、競争領域としないところを定め、各社が協調しスピード感や内容の充実を目指すこと、あるいは利便性を高めることこそが望まれているのではないか。(雨宿り)

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