うず
顔写真入り診察券
先日、近くの総合病院を初めて受診したときのことだ。数年前に建て替えたらしい広々とした院内の一方で、受付や病棟フロアを担当する職員は少なく、IT化も進んでいると思料。例のマイナ保険証の端末も、初診・再診受付に数台並んでいた。
手続きのペーパーレス化も進んでいて、患者情報をタブレット端末に入力すると、職員に誘導されて写真撮影され、顔写真入り診察券を受け取った。これまで多くの病院を受診したが、顔写真入りの診察券は珍しい。動物病院の個体認識では聞いたことがあったが、正直初めてだった。今後、デジタル化によって診察券は次々とコード化され、スマホなどに搭載されてゆくだろうと考えていたので、この病院IT化と写真入り診察券のギャップに驚きを隠せなかった。
そこであらためて診察券の意味を考えてみた。医療機関にとっては患者の本人確認やカルテ管理で必要だ。本人確認は厚労省から実施に関する留意点が発出されているが、義務ではなく、医療機関の判断だ。カルテ管理は、診療申込時の情報をデータ化して格納、診察券番号をキーとする。本人確認は、診察・検査、請求書発行等で、名前と生年月日を尋ねたりする。患者側の診察券管理は面倒だが、病院としてはメリットがあるはずだ。ところで、診察券が必須かといえばそうとも言えず、患者のメリットは曖昧に見える。病院ではデータとして、診察券番号、生年月日、患者名等を管理しているから、診察券はなくてもデータがあればよい。
さて、当該病院は、タブレットで患者がデータ入力し、写真付き診察券があってか、診察室に入ってから本人確認がなく、支払は診察券のみで、駐車場割引も診察券で完了。スムーズに済み、快適なプロセスだと感心し、今後この病院のITがどう進歩してゆくのか興味を持った。(こゆ美)