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うず

解除・取消・解約

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 某大学の生命保険論の講義を傍聴させていただいた際に、「告知義務違反による契約解除、取消」という言葉が出てきて懐かしくお聞きした。このほかにも、「解約」「無効」「失効」などよく似た言葉があり、昔その解釈で悪戦苦闘した経験があるからだ。
 自身もいまだ完全に理解したとは言いがたいが、学生さんがこれらの言葉を区別して聞いていたとは思えないし、法律職の専門家は別にして、一般社会人はもちろん、業界人でもこれらの用語を明確に区別、理解したうえで、例えば本紙の裁定概要集などを読まれている方は少数派ではないかと思う。
 保険契約の世界では、「無効」:契約そのものがはじめから存在しなかったということ、「失効」:存在している契約の効果が無くなること、「取消」:契約が存在しているが、それを意思表示により無かったことにすること、「解除」:意思表示をすることでその契約を無かったことにするもしくはその契約を将来にわたって解消することを意味し、それまでの契約は有効であるということ、「解約」:意思表示の時点からその契約を将来に向けて無効とすること―と一応整理はできるが、厳密には民法の規定を読み込んでも難しいかもしれない。
 まして契約者からすれば、そんな言葉などより、「契約を解約した。告知義務違反だとして契約を解除された。契約を取り消された。契約は無効だという。そして、保険金、解約返戻金がもらえない、払い込んだ保険料が返ってこない。なぜだ?」となってしまう。
 契約の際には、これらを頭の中で整理したうえで、契約の内容「約款」を丁寧に説明することが、トラブル防止に一番「有効」だと思う。(朗進)

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