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夢の超特急

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 昭和39(1964)年に東海道新幹線が開業した。東京・大阪を3時間10分で結ぶ画期的なスピードから、人々はこの鉄道を「夢の超特急」と呼んだ。それからちょうど60年。新幹線網は全国へと広がり、今年3月16日には北陸新幹線が金沢駅から福井県敦賀まで延伸した。
 この機会だから、北陸新幹線を使って富山から石川、さらに福井を訪れてみた。新幹線で地域がどう変わっているのかに興味もあった。まずは富山だ。新幹線延伸で富山が取り残されるという懸念も伝えられてきた。確かにこの時期、観光客は少ない印象だ。さらに西の高岡方面にも寄ってみたが、こちらはかつて見た駅とは大きく変わり、駅周辺にはホテルが林立、新たに19階建ての新築マンションも建っている。地元の住民によれば、高岡は北陸新幹線新高岡駅に近く、立山や富山湾など観光地へのアクセスも良いことから、別荘代わりに購入する人もいるとか。町自体はにぎわっているとは言えないが、駅前だけは現代的な風情に生まれ変わっている。続いて金沢だが、相変わらず外国人旅行者であふれ返っている。彼らの旅の目当てはこの金沢なのだろう。残念ながら福井までは足を延ばしていないようだ。
 さて、この北陸新幹線。敦賀の先が気掛かりだ。小浜・京都ルートと米原ルートの二つのルートをめぐって対立が再燃し、遅々として進んでいない。東海地方の巨大地震が懸念される今、早く首都圏から大阪までの迂回路を確保しておきたいところだが、新幹線のスピードとは反対にのろのろ運転だ。福井駅前の恐竜たちは大きな口を開いて「早くしろ、早くしろ」と吠えているのか、いやいや夢に疲れ、大あくびのようにも見えてきた。(リュウ)

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