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都立高校異変

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 東京都立高校にこの春、異変が起きていることをご存知だろうか。都立の共学高校は、前年まで入学試験に男女別の定員枠を設定していた。それを本年度から廃止して、内申書や入学試験による選抜を実施した。男女を問わず点数の高い者から入学を許可していったのだ。
 その結果、都立日比谷高校、都立西高校など有名大学への進学率が高い高校で、女子の合格者数が男子を上回る結果となった。それらの高校の多くは旧制の東京府立中学(男子校)をルーツに持っているため、古いOBから「わが校は高等女学校ではない、旧○中だ」と、近年では不適切な嘆きが出たとも聞いた。
 入試を担当した先生方に内々に実態を聞くチャンスを得た。すると、内申書では、いわゆる5段階評価でオール5は女子生徒に多く、優秀な男子生徒は何かの教科で3や4をもらっている生徒が多い傾向があるとのことだった。さらに面接試験では女子生徒の方が基本的にコミュニケーション能力が高く、高得点を付けざるを得ないとのことだった。
 少し前、ある医科大学で男子受験者の入試点数に「下駄を履かせて」入学者数を調整したとして、男女差別だと非難された事件を思い出した。今年の入学式では、あの東京大学の学長が女子学生数の向上を宣言していたが、それにかかわらず数年先には、「本学は○○女子大ではない」と、またまた不適切な嘆きが聞かれるかもしれない。
 そもそも女性が大活躍する保険業界にいたコラム子は、これらの現象にあまり違和感を持っていない。むしろ、男女関係なく、入学後の可能性を含めた「生徒の伸びしろ」を査定する新しい高校入試制度を開発すればよいと考えている。(朗進)

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