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 インベーダーといえば、かつてゲームセンターや喫茶店、家庭などで爆発的に流行したゲームを思い出すが、今回は同じインベーダーでも自動車盗難の現場で脅威を与えている「CANインベーダー」の話だ。
 なぜ、この手口が脅威となっているのか―。自動車盗難では、時代とともに、工具で車のドアを無理やりこじ開ける古典的手法から車のセキュリティーの進化に伴って窃盗手口も巧妙化してきた。キー内部のIDと車のIDを一致させて始動するイモビライザーには、その機能を無効にするイモビカッターが登場。さらに、微弱な電波を発して解錠するスマートキーに対しては、いわば電波を横取りするリレーアタックが登場、玄関など車から至近距離に置いたスマートキーの電波を盗み、車を解錠してしまう。また、コードグラバーと呼ばれる窃盗手口もある。これはスマートキーでドアロックした時の電波を盗み、いわば電子的に合鍵を複製してしまう。基本的に百メートル圏内、機種によってはそれ以上離れた場所でも受信できるというから駐車時に気付きにくい。リレーアタックでは複数人が必要なのに対し、このコードグラバーは単独で実行できる点が恐ろしい。
 そして、CANインベーダーだ。インベーダーとは外部からの侵入者の意だが、この手口は車のバンパーなどをわずかにずらし、モバイルバッテリーほどの大きさの特殊ツールでCANと呼ばれる車載ネットワークを乗っ取り、いとも簡単に車を盗んでしまうから厄介だ。
 自動車盗難は一時、減少したものの、最近は微増傾向にあるという。いたちごっことも思える自動車盗難。ゲームとは違い、流行だけはご免こうむりたい。(リュウ)

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