うず
はて?
最終回も迫るNHK朝ドラ「虎に翼」は、ますます大人気である。主人公の寅子のモデルは、日本で初めての女性弁護士・女性家庭裁判所の所長となった三淵嘉子さんだ。朝ドラのエピソードの数々も、女性や種々のマイノリティー(=弱者)にとっての、昭和だけではなく令和にも続くテーマばかりであったのではないだろうか。
先日テレビで「虎に翼」の脚本家吉田恵里香さんのインタビューを視聴したが、やはり話題となったのは、主人公寅子の「はて?」という秀逸なセリフであった。半分侮蔑を込めた「はぁ?」で会話を途切れさすことなく、なんとか会話をつなげたいというサインとしての返し言葉として、「はて?」とされたとのことである。そこには、当時にも現代にもつながる弱者ならではの目線と会話を大切にするために工夫された絶妙な言葉のセンスがうかがわれた。パワハラに近いきわどい言動の上司に対して、「はて?」と呟いてみたい方も多いのではないか?
私事だが、私の父は三淵嘉子さんと判事として共に働いていたことがあり、先日当時の写真を探し出してきて、朝ドラには出番のない父の仏壇に報告したところである。
そんなことをたまたま、女性初の旧帝国大学の学部長になられたMさんとのメールのやりとりで付言したところ、Mさんのご尊父は大東京火災(現あいおいニッセイ同和損保)の常務をされていたが、三淵嘉子さんの義弟(三渕震三郎氏、三淵最高裁長官の三男、妻は反町茂作大東京火災元社長の三女)も大東京火災にいらして、Mさんが法学部に進学した際にとても喜んでくれたという話を聞いて、人と人の縁の巡り合わせにあらためて驚いたところだ。
(雨宿り)