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誰のための運動会?

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 秋は運動会シーズンである。長引く酷暑や受験を理由に、開催を春に変更している学校は増えたが、筆者の住む町では秋の運動会が優勢である。開催日にむけて、連日校庭で練習だ。若干秋らしくなってきたが、変わりやすい天気のなかで準備する子どもたちの健康、指導する教職員、参観する保護者の体調も心配だ。
 日本の運動会は教育の一環として運動を重視することから始まったといわれている。競技演目がリレーなどのような競争や、ダンスのような団体競技が多いことも特徴だ。あくまで教育の一環で、真正面な取り組みやルールを重んじることから、集団での事前練習が必要になる。秋とはいえ30度ちかい日には過酷な練習だ。近隣の小学校では、教員の掛け声のもと練習が続く。
 先日、ある報道番組で、9月に実施していた運動会を準備や実施も含めて、気候がよくなる11月に変更した学校を伝えていた。当然の対応だろう。時期の変更はすぐさま取り組める良い方法ならば、もっと追随すればよいのではないか。
 公立小学校校長の友人によれば、学校の日程を変更するのはやや煩雑な手順もあり、また秋は学校行事が多く、一般が考えるほど簡単ではないという。ならば工夫はできないのか。開催を半日や3時間にする。演目を簡易で楽しめるものとする。たとえば海外の学校やスポーツデーやフィールドデーなども参考にし、娯楽性が高く、事前練習が不要な演目に変更するのはどうか。そうすれば教員の負担も減る。保護者に成長をみせる機会にはなる。
 長期予報では、西日本などでは、10月も真夏のような暑さらしい。校庭では子どもたちが揃いの体操服で運動会の練習にいとまがない。曲に合わせてリズムをとる児童の姿に心はなごむが、変化する時代のなか、運動会は誰のためなのか思いをめぐらした。(こゆ美)

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