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「津波」は世界共通語

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 11月5日は国連が定めた「世界津波の日」だ。この日に内閣府は「津波防災の日スペシャルイベント」を実施したほか、各地でさまざま防災訓練やセミナー、イベントなどが開かれた。わが国のイニシアチブにより世界の142カ国が共同提案し、2015年に採択された「世界津波の日」だが、果たしてどれだけの人が知っているだろうか。
 世界津波の日は英語では“World Tsunami Awareness Day”。直訳すれば、「世界が津波を意識する日」とでも訳せようか。この英文だけでも「津波」は世界の言葉になっていることが分かる。特に、東日本大震災を経験した日本人としては、この日は津波のことを真剣に思う1日にしたいものだ。
 なぜ、11月5日なのか。それは1854年のこの日(旧暦)に起きた安政南海地震で、濱口梧陵が稲束(稲むら)に火をつけ村人の命を救った「稲むらの火」の逸話に由来している。この話は、津波に巻き込まれながらも九死に一生を得た梧陵が稲束に火をつけ、その火を目印に村人が暗闇の中、丘を目指して避難できたことから、現代に逸話として受け継がれてきた。
 さて、この津波、太平洋を巨大な洗面器に例えれば、片側で起きた波紋は遅かれ早かれ反対側にも到達する。しかも、その速さはジェット機並みだ。はるか対岸の出来事と悠長に構えているわけにはいかない。実際、東日本大震災時には津波は約7時間後に2~3メートルの高さに達し、ハワイを急襲したという。その後、津波は米西海岸に到達、多くのヨットや船が流された。
 今や世界の共通語になった「津波」。東日本大震災の教訓は日本だけにとどめず、人類共通の認識に発展させたいものだ。(リュウ)

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