うず
声を聴く
お客さま・社会からの信頼回復を目指して保険会社の慣行や代理店業務の見直しが求められている。その切り口はいくつもあるが、ステークホルダーの声を聴(き)くことが土台である。
先ずは、「お客さまの声」を、どれだけ代理店が真摯にお客さまの立場に立って不安や不満を拾い上げられるかが一つ目である。代理店自身の不適切な対応の問題もあるが、商品・サービスや事故対応について、お客さまに最も近い代理店が積極的に吸い上げられるかである。
二つ目は、そのお客さまの声を含めて、「代理店の声」をどれだけ、丁寧に会社や経営が拾い集め、分析しようとしているかである。声の大きい大型代理店の声だけは聴いて、それを助言として終わらせたり、あるいは現場や部下に丸投げして終わりにしていることが多いのではないか。
三つ目は、「株主の声」である。現在大手保険会社は持株会社での上場としており、個々の保険事業会社に関わるクレームや苦言には、株主総会でも「個別の話については」と冷たい対応がなされていないか。総会の円滑な運営の優先と事後処理としての声対応でいいのだろうか。
四つ目は、「社員の声」である。グレーな課題について踏み込んで声を拾い上げるというスタンスには見えないときがある。何か言うとすぐ「誰が言ったか」の話になりがちである。とりわけ女性社員や新人や転入社員等の切実なあるいは小さな声が大切だ。
四つの声をどれだけ真摯に聴けるか、そして経営でのPDCAを早く回すことで業界を変えていかなければならない。今年こそ四つの声をあらためて大切にしてもらいたい。
(雨宿り)