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うず

部活動指導員

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 近所の図書館で「部活動指導員」を募集する張り紙を見た。部活動指導員の定義は、「部活動の顧問として技術的な指導を行うとともに、担当教諭等と日常的に指導内容や生徒の様子、事故が発生した場合の対応等について情報交換を行う等の連携を十分に図る」とある。すぐに私の頭には、かつて野球少年だった夫の顔が思い浮かんだ。今でも草野球に参加する彼は、ドラフトの時期になるとかかってくるはずもない電話にそわそわするほどで、テレビの野球番組などのクイズでは歴戦の選手の名前から勝敗まですべて当てる。私は常日頃から彼のくすぶった野球愛を生かせる場所はないかと考えていた。
 自宅に戻り、詳細を話すとまんざらでもない様子だったが、なかなか自分から「指導できます」と言うのは勇気がいったらしく、数日を要したが、市役所の係の方に連絡を取ると、野球を指導できる人員が求められていたようで、すんなりと決まった。職場への副業手続きも完了し、家では夫がうれしそうにミットを磨き、たたく音が響くようになり、大変ほほえましい。
 昨年、大手銀行が全従業員を対象に社外での副業を全面解禁したことがニュースになった。本業と競合せず、業務に支障が出ないことなどが条件で、就業時間を限定し、スポーツの指導者や語学の講師などの外部企業で働くことを想定しているという。副業を通じて従業員がスキルアップし、会社の価値や競争力の向上につなげる狙いだ。教師の負担も少しだけ軽くできるだろうし、地域貢献にもなるだろう。地区によって規定は違うが、もし興味があれば、「部活動指導員」で検索してみてはどうだろうか。(みれい)

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