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 「リスキリング=学びなおし」は、総合経済対策の目玉政策の一つ「新しい資本主義の加速」のための「人への投資」として声高に提起されている。個人のスキルアップのために、なんと5年間で1兆円規模ということだが、税金を使って、どれだけの効果がいつどういう形で現れるのか。効果測定者は、国か、企業か、あるいは個人なのだろうか。
 昔から、「保険を知らなければ保険は売れない、保険しか知らなければ保険は売れない」と言われてきた。自社の商品知識だけではダメで、業界や企業の固有のリスクについて何らかの形で勉強して、役に立てる提案を行い、場合によっては特別なスキームや保険を開発するために勉強してきたはずだ。忙しい中でも学びの機会を会社は提供してきたし、自らも学んできた。
 一方、自分の現在の担当業務を突き詰めるのとは別の学びということでは、部下のマネジメント研修であったり、財務部門へ行くために会計士資格を取るとか、DX促進のためにウェブ活用技術を学ぶというようなことだった。
 いずれにしても、あくまでも社内に残ることが前提でのキャリア形成であったり、ステップとしての学びであり、社員の底上げのためのスキルアップだったはずだ。まずは、それらがどこまでしっかりと社内でできているのかの効果測定が大切なはずだ。
 その効果が、十分に仕組みや事例として顕在化し、社員に広く認識かつ享受されていない中で、新たに「リスキリング」や「副業」という言葉が聞こえてくると、何か違和感がある。あたかも余剰人員に転職してもらうためとか、社員の自発的な退職を促すための方便にしか聞こえないからだ。(雨宿り)

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