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ジョブローテーションと転職

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 資産運用部門の後輩の講演会で、終了後も熱心に質問する学生がいた。資産運用業務を将来の職務と決めているらしく、質問内容にも専門用語が使われていた。最近は学校での勉強だけでなくインターンシップにも積極的に参加しているとのことで、具体的な金融機関の名前も挙がっていた。コラム子が学生のころ、このように具体的に職務をイメージした活動はしていなかった。
 一方、別の後輩からは、最近の若手はジョブローテーションで安易に職務変更を発令すると簡単に退社、転職してしまうので、人事が非常に難しくなっていると聞いた。多くの若手職員が専門職志向にあり、会社全体の総合職として栄進するのは責任が重いと避け、早くから自分の専門部門を決めてその部門でのみの栄達を考えている。最近は、会社も「フェロー」などというそれなりの専門職管理職肩書を付与する制度も整備しているのだという。
 しかしコラム子は、突然の配置転換、職務変更に戸惑い苦しんだ経験が当然あるが、それらの経験と視野の広がりが、その後に担当した専門的職務の基盤となった経験を持っている。同じく後輩でもある今をときめくアニメプロデューサーからも、同氏の商社財務部門勤務、海外駐在経験が現在の仕事の重要なスキルになっているという話を聞いている。
 件(くだん)の学生を思わず呼び止めて、「貴君の熱心さには頭が下がる、しかし現在の貴君には想像できない分野に、貴君の本当の能力適性があり、人生の成功をもたらすかもしれない。もう少し視野を広くして会社や社会を見たほうが貴君のためになるかもしれない」とアドバイスをしてしまった。(朗進)

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