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本業・副業

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 当局の立ち入り検査と業務改善命令を受け、保険業法等の順守が求められる金融事業者としての認識が欠如していたとのディーラーからのリリースがあった。根底には、経営者に保険はあくまで副業で、車を売るのが本業であるとの認識があったことが問題とのことだ。だが、祖業である車のディーラーにおいて、どれだけ保険代理店業が祖業と同等の本業として位置付けられているかというと、全国を見回しても心もとないと思わざるを得ない。ディーラーが代理店を始めた半世紀前では、保険会社の誰もが競って副業としての保険販売を依頼していたからだ。
 時代も保険業法も変われども気持ちはあくまでも祖業が本業であり、保険は副業の位置付けである。収益も売上高も違う保険を、経営陣はもとより、セールスに同じ本業として立ち向かわせることは、保険手当等の位置付けからも無理だろう。車のトップセールスが、目に見えない「保険」という商品の説明について車の性能並みの説明ができるかと言えばそれもどうだろう。そもそも保険販売の向き不向きもあるし、それこそ保険会社からの出向者や営業担当者に丸投げしていても不思議ではない。
 重要事項の説明、商品比較、意向確認等、いずれも保険が本業のプロ代理店でさえ大変なところである。祖業を持つセールスに、副業感覚では保険は売ってはいけないというむなしい正論は、現場や社会ではどう受け止められるのか。抜本的改革には、保険はそれを本業とする者しか売れないこととし、その本業者の業務レベルを上げることをまずはじっくりと目指し、業界の信頼を回復すべきではないだろうか。(スネオ)

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